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エース川澄、1人で試合決めた! なでしこ頂上決戦1stラウンドは女王INACが制す!!

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[6.10 なでしこリーグ第9節 日テレ 0-1 I神戸 国立]

 なでしこリーグ第9節が10日に各地で行われ、2位日テレ・ベレーザがホーム・国立競技場で首位INAC神戸と対戦した。無敗同士で迎えた前半戦の天王山は、FW川澄奈穂美が自ら獲得したPKを沈め、1-0でINACが勝利した。

 18日からスウェーデンに遠征するなでしこジャパンのメンバーに、両チーム合わせて11人が召集されている日本を代表する2クラブによる一戦には1万6663人の観客がつめかけた。ロンドン五輪まで残すところ1か月となり、注目度の高さをうかがわせた。

 立ち上がりから両チームともに首位攻防戦にふさわしい攻防を見せた。ベレーザは高い位置からのプレスで、INAC自慢のショートパスを分断した。

 ベレーザのプレスをかわすために、INACはMF澤穂希、MF大野忍が長短織り交ぜたパスで高く設定されたベレーザのディフェンスラインの裏を徹底的についた。両ウイングの川澄、FW高瀬愛実、サイドバックのDF近賀ゆかりがサイドバックの裏に積極的に飛び出し主導権を握る。

 前半20分を過ぎたころからベレーザが徐々にペースをつかみだす。なでしこジャパンに復帰したFW岩渕真奈とFW永里亜紗乃のツートップによるコンビネーションでINACゴールに迫った。

 前半30分、ペナリティエリア手前でボールを持った岩渕が永里とワンツーで抜け出しGKと1対1になったが、海堀あゆみがセーブしベレーザは決定的チャンスを逃した。さらに同34分にも、INACのCKのこぼれ球を自陣で拾った永里が出したスルーパスに岩渕が抜け出し、GKと1対1のチャンスをつくるが、再び海堀がビッグセーブ。ベレーザは立て続けに訪れた2度の決定機を逃した。

 前半終了間際には川澄が左サイドからあげたクロスにFWゴーベル・ヤネズが飛び込むが、ヘディングは惜しくも合わず。お互いに決定機を逃し、前半は0-0で折り返した。

 後半、ベレーザはケガの影響で岩渕を外し、FW田中美南がツートップの一角に入った。
 
 後半に入ってこう着状態が続いたが、後半14分、試合は動いた。大野の浮き球のパスを川澄がトラップでDFを抜きにかかろうとしたところを倒されてPKを獲得。川澄が自ら得たPKを落ち着いて決めてINACがついに先制した。
 
 岩渕を欠いてからチャンスをつくれないベレーザだったが、後半26分に決定機を迎えた。ゴール前の混戦のこぼれ球を田中がフリーでシュートを放ったが、3度海堀が立ちはだかり得点を奪えなかった。

 後半32分、INACはMFチ・ソヨンに代えてMF南山千明を入れて逃げ切りをはかる。同時にベレーザは永里に代えてMF小林弥生を投入。小林をダブルボランチの一角に入れ、キープ力と得点力のあるMF阪口夢穂をFWに上げて攻勢をかける。対するINACは体を張ってピンチをしのぎ、個人技を活かしたカウンターでとどめをさしにかかった。

 結局、ベレーザの猛攻は実らず、1-0で試合終了。INACは9戦無敗の8勝1分で勝ち点を25にのばし、6勝1敗2分となった2位ベレーザとの勝ち点差を5に広げた。前半戦を終了したなでしこリーグは、今節を最後にロンドン五輪に向けた3か月の中断に入る。

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