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元日本代表SB名良橋晃氏、スカウト担当した「THE CHANCE」関東ラウンド終了後のコメント

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 ナイキジャパンは16日、神奈川県横浜市の横浜みなとみらいスポーツパークで、世界で戦える若きフットボールプレーヤーを探す世界規模のスカウトプロジェクト「THE CHANCE」のセミファイナル「関東ラウンド」を行い、元日本代表SB名良橋晃氏らスカウト陣が「ジャパンファイナル」(7月21日、22日、都内近郊)へ進出する11名としてGK吉田稜(青森山田高)、GK川島滉(つばさ総合高)、DF楠本卓海(大成高)、DF西山雄介(横河武蔵野FCユース)、DF酒井隆也(日本工学院F・マリノス)、DF室田悠貴(市立柏高)、MF木曽航平(中央学院高)、MF岡田朋也(常磐大学高)、MF岡庭裕貴(横河武蔵野FCユース)、FW寺田和之(早稲田ユナイテッド)、FW高橋将道(府中東高)、FWマーフィー・ショーン輝(早稲田ユナイテッド)を選出した。

以下、スカウトを担当した名良橋氏コメント

―今回も難しい選考になりました
「最後挨拶した時にも言ったんですけど、みんなゲームのところで凄く自分の個性をしっかり出してくれた。悩んで、悩みきっていろいろなことがありました。選ばれたメンバーには、しっかりとファイナルラウンドも自分というものを出してもらいたい。レベルはどんどん高くなってきています」

―九州もご覧になって温度差というものは感じられましたか?
「九州も関東もそうなんですけど、(全体的に)自分を出しきれていないというか。技術は高いんですけど、そこでプラスアルファというか、コーチングで周りを動かす能力の高さとかをもっと出して欲しかった。淡々とやる選手が日本人は多いと思いますが、そういった選手というのは海外へ行ってもスカウトの目にはつかないと思う。自分の技術だけじゃなくて、違った良さを引き出せるかというのは、今後日本人が必要となってくるところじゃないかなと思う。ボール捌きとか技術は本当に上手い。でも昔の選手というのはヘディングとか、ひとつのところを伸ばした感があった。自分のウリをもっと積極的に出して行けばスカウトの目にも留まってくると思う」

―何がいいのか見えてこない選手が多かった?
「そうなんですよ。技術は高いんですよ。ただ、そこで『何が上手いの』と聞かれると判断しづらくなってしまう。『何が特長なの』となってしまう。もっともっと自分の良さを引き出していかないといけない。海外の選手は組織も強いし、その中で個の特長もしっかりと出してくる。そういうところでの存在価値を海外の選手たちは出してきていると思う。日本人にとっても、生き残るために必要な部分だと思う」

―それはきょう選ばれた選手たちへのメッセージにもなる
「そうですね。ファイナルラウンドに選ばれた選手たちへのメッセージになってくると思う。技術がどっこいどっこいだと、後は自分の良さを出している選手を選んでいくと思う。自分の良さをもっともっと出していってもらいたい」

―コミュニケーションも評価される部分
「ディフェンスの選手だったらコーチングとか、淡々とディフェンスラインのコントロールとかボール奪取とか上手い選手はいるんですけど、そこでひとつ引き付けるところがあったらスカウトも見ると思う」

―実際に名良橋さんがプレーするとして、相手だったら嫌だなと思う選手はいましたか?
「それはFWとか、がむしゃらに裏へ飛び出す選手というのは怖いですし、自分の速さというのをどんどんアピールしていた選手もいた。そういう自分の特長を出す選手は今後、活きていくと思う」

―最後はご自分の挫折の経験も含めて落選した選手に話しかけられていました
「挫折した中でそこで立ち止まるのではなくて、そういったところからいろいろなところが見えてくると思う。その挫折を自分の中でどう打開していくか。周りの人にどれだけ協力してもらえるかということも重要。チャンスというのはみんなに可能性があると思う。掴む、掴まないは自分次第になってくる。常日頃から意識を高めていってもらいたい。九州でも言いましたけれど羨ましいですね。こんなセレクションがあるなんて。だからこそもっと我を出してほしいんですよ」

―今後、ジャパンファイナル、世界へ向かう選手へ一言お願いします
「ジャパンファイナルに残ったメンバーというのはレベル的にもしっかりしている選手が揃ってきていると思うし、いかに自分を出せるかというところがスカウトの目に留まってくる。とにかく向上心を持って失敗を怖れずに。檜舞台じゃないですけど、楽しんでやるということを忘れずにやってもらいたい」

(取材・文 吉田太郎)

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