beacon

障がい者と健常者が混ざるサッカーフェスタを開催。来年3月に豪雨被害の広島でも開催へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

 日本障がい者サッカー連盟(JIFF)は23日、東京都多摩市のフットサルステージで「JIFFインクルーシブフットボールフェスタ2018」を開催した。このイベントは2016年から3年連続で開催。JIFFの北澤豪会長や、元日本代表でFC東京クラブコミュニケーターの石川直宏氏も参加した。

「インクルーシブフットボール」とは、障がいの有無や種別などの違いを超え、障がい者と健常者などすべて混ざって一緒のチームでプレーするサッカーのこと。北澤会長が明かす。

「実は昨年夏に広島で開催する予定でしたが、豪雨で中止になってしまいました。今回のイベントは、その広島に対する思いもあります。我々がいつも助けていただくばかりではいけない。我々にもできることがあるし、その辺りは平等でありたい」


 インクルーシブフットボールに加えて、今年は新たに2つのイベントを開催した。ひとつ目は、個人のリフティングチャレンジを社会貢献につなげる寄付企画「キフティング(寄付×リフティング)」。リフティング1回につき10円の寄付をする寄付企画で、バウンド1回は許される特別ルール。3回チャレンジすることが可能で、トータル100回成功したら終了する。同イベント内で集まった寄付金¥46819は、すべて「JFA 平成30年7月豪雨 義援金」へ寄付される。北澤会長は寄付の額以上に大切な、心の持ち様を訴えた。

「災害があったから寄付する、ということにとどまらず、寄付を通して助けられることをもっと探していければいい。仕事で海外に行かせていただく機会は多いんですが、チャリティー文化が根付いていると感じます。募金箱はいっぱいですよ。たとえば、ブラインドサッカーの試合も有料化されていて、それは協会の強化費や運営費になる。何のために使われているかをみんなが知っているから見に行くんです」

キフティングに挑戦。さすが元Jリーガーとあって簡単に連続100回をクリアした

 もうひとつは、7つの障がい者サッカープレーヤーも健常者も、年齢、性別、サッカー経験の有無も問わず一緒にウォーキングサッカー(歩くサッカー)を行う「まぜこぜスマイルサッカー」。18年間、現役を続け、昨シーズン終了後に引退したばかりの石川氏が明かす。

 「いろんな方々がごちゃごちゃになってしかも、みんなが勝負にこだわって夢中になってボールを追っていると、頭の中から『(障がい者に対して)何か特別なことをしなければいけないんじゃないか』という変な気遣いのような意識が排除されていきました」(石川氏)

誰もが楽しめるウォーキングサッカー


 北澤会長は最後にこう締めた。

「今日のイベントで年齢、性別、サッカー経験、障がいの有無を問わずに同じピッチでプレーすることが、サッカーでは成立しました。こういった事例を違う地域に広げていきたいので、まずは来年3月に広島で開催します。健常者、障がい者、年齢、性別で差別しない社会を作りたいと願っていても、政治や制度で実現させることは難しい気がしています。でもスポーツを通して、人に理解させることはできる。最近、スポーツは勝敗で強い者がどうしてもクローズアップされますが、スポーツの役割はそれだけにとどまらないことに気づいて、もっと日本が、誰もが暮らしやすい国になってほしいです」

(取材・文 林健太郎)

●障がい者サッカー特集ページ

TOP