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[天皇杯決勝][戦評]鹿島は守備と攻撃が連動していた

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[1.1 天皇杯決勝 広島0-2鹿島 国立]

田村修一の「視点」 

 広島の攻撃が単調だったということもあるが、鹿島の守備が良かった。
 鹿島は前線からプレッシャーをかけ、絶対に相手を自由にさせなかった。広島が何度か試みたくさびも、すぐに潰していた。ボールを持った相手に対してもそうだが、スペースを消す動きで攻撃の芽を潰し、何もさせなかった。

 そして今日特に目立ったのは攻守の切り替えの早さだ。
 鹿島の切り替えの速さはJチームの中でも群を抜いている。その理由はチームの全員がボールを奪った後、攻撃のことを考えて守備をしているところにある。そのため、ボールを奪った後、相手が体勢を立て直す前に全員で早い攻撃が仕掛けられる。
 さらにその時、1人1人のタレント性が活きてくる。今回はDF内田篤人(19)が先取点を決め、準決勝の川崎F戦ではMF本山雅志(28)が決勝点を決めたように、どこからでも得点することができ、しっかり勝ちきることができる。

 国内で守備と攻撃が連動しているというチームはあまりないが、鹿島は守備と攻撃が表裏一体となっていた。「攻撃のための守備、守備のための攻撃」という理にかなったサッカーが安定感を生み出し、今シーズンの2冠につながったのだと思う。

(取材・フットボールアナリスト田村修一)

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