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「自信がない」筑波連勝も先は長し(国士館大vs筑波大)

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[5.4 関東大学サッカー1部第5節 国士舘大 0-1 筑波大 多摩]

 昨年関東1部2位の国士舘大と同3位の筑波大との一戦は、DF伊藤優太(4年=浜松北高)の決勝ゴールにより、1-0で筑波大が勝った。
 難敵の反撃をDF作田裕次(4年=星稜高)とGK碓井健平(4年=藤枝東高)を中心に凌いで2連勝とした筑波大だったが、試合後の風間八宏監督は明らかに不満げ。「ひとりひとり自信がなかったね。トラップがブレるならどうすればいいのか。ひとりひとり悪いところを試合の中で取り戻せない。ダメでも(気持ちで)戦えるようになったけど、上手くいかない時に立て直す個人個人の術がまだない」と厳しかった。
 前半37分に左サイドから個人技を生かして切れ込んだ伊藤からの折り返しをMF小澤司(3年=桐蔭学園高)が決定的な右足シュート。そのこぼれ球を伊藤が右足で押し込み先制した。だが、後半は完全に押し込まれ苦しいクリアをする場面の連続。ゴールを目指して攻撃参加を繰り返す右SB大竹隆人(3年=三菱養和SCユース)と左SB天野恒太(4年=常葉橘高)ら国士大に人数をかけて押し込まれた。
 ボールを奪っても攻めきれない。容赦なく間合いを詰めてくる国士大の守備を落ちついて外せばチャンスも増えていたはずだが、それができなかった。作田は「相手のプレスが速くて。つなげている時間帯もあったけど、それを続けることができなかった。目指しているものがまだ足りない。試合内容は満足していません」。
 元日本代表MFの風間監督就任1年目の昨年前期は大苦戦。それでも相手への対策を行わず、個人個人が試合で戦う術を身につけることで全体のレベルアップを図った。07年ギリギリで1部残留を果たしたチームは、個人戦術、技術向上とともに力をつけていき、全日本大学選手権では決勝へ進出した。「昨年のベースはあるけど、戦える選手はまだ数人しかいない。1人1人が悪いから押し込まれる。技術がブレているから自信がない。それぞれに可能性はあるけど今はまだだね」と指揮官。相手に全く触られずにボールをゴールまで運ぶことができる、高いレベルを備える11人以上のチームとなっていくこと。目標とするところが高い筑波大の挑戦は1年かけて続いていく。

 敗れた国士大は勝ち点奪取まであと一歩だった。エース・柏好文主将(4年=韮崎高)のドリブル突破に今季膝の大怪我から復帰したMF先崎勝也(4年=静岡学園高)の決定的なシュート、そして後半終盤は全日本大学選抜MF伊東俊(4年=青森山田高)の投入で勢いを増した。だが、筑波の青い壁を破ることができず。昨年前期わずか1敗のみだったチームは早くも3敗目を喫している。

<写真>前半37分、筑波大・伊藤が右足で決勝ゴール
(取材・文 吉田太郎)

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