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[高校選手権]合同チームの中津工・中津東、23年ぶりの"初出場"

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 大分県代表の中津工・中津東は12月31日の1回戦で千葉県代表(12月6日決定)と対戦することになった。中津工・中津東はその名の通り「合同チーム」。今年4月に中津工と中津商が統合され、中津工の校地に中津東が誕生したのだが、中津東は4月に入学した1年生のみで、部員の半数以上を占める2、3年生は中津工の生徒という移行期であるため、チーム名は両校の連名となっている。

 当初は中津工、中津東それぞれ別のチームをつくって活動する予定もあったが、「敷地は一緒なのに、別々の学校として違う監督を立てて、2つのチームをつくっても教育効果は生まれないということで一緒にやることになった」(松田雄一監督)という。これはサッカー部に限らず、例えば女子バスケットボール部は中津商・中津東の合同チームとして活動している。

 現在の部員数は中津工の3年生が21人、2年生が25人、そして中津東の生徒として入学した1年生が21人いる。選手権の登録メンバー25人には1年生も1人入っているが、大半は「中津工」のメンバー。2、3年生の部員のジャージには「中津工」、1年生のジャージには「中津東」とプリントされており、校歌も中津工、中津東にそれぞれ別のものがある。もちろんチームは1つにまとまっている。スタンドにいる中津東の1年生もみんな中津工の校歌を覚えており、選手入場などでは中津工の校歌が歌われているという。

 03年度大会に情報科学(大分)の監督として全国選手権に出場した経験も持つ松田監督は「今年は半数以上が中津工の生徒だからいいけど、来年は半々ぐらいになるので、校歌をどうしようか悩んでいる。最初は中津工の校歌を歌って途中から中津東の校歌に変えるのか」と冗談交じりに話していた。

 合同チームとしては「初出場」だが、中津工としては23年ぶりの出場でもある。「初出場と言われるより、23年ぶりと言われた方がうれしい。OBの方もいますからね。再来年以降に中津東として出場したら、また“初出場”になるんですかね。何回、初出場を経験できるんだろう」と笑った。

 「流れをつくって中津東にバトンタッチしたい」と松田監督は言う。初戦の相手は強豪の千葉県代表。しかし、簡単に負けるわけにはいかない。主将のMF塩田賢吾は「全国大会に出たら、強豪チームばかり。早いか遅いかの違いだけだし、強豪と当たれるのはうれしい」と強い決意を口にしていた。

(取材・文 西山紘平)

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