beacon

[高校選手権]日本一・広島代表のプライド、広島観音「優勝旗を持って帰る事が使命」

このエントリーをはてなブックマークに追加

 第88回全国高校サッカー選手権(12月30日開幕、国立ほか)は24日、東京都内の日本テレビで組み合わせ抽選会を行った。広島県大会決勝で昨年度日本一の広島皆実を破って勝ち上がって来た広島観音は、初戦となる2回戦(10年1月2日)で山形県代表の山形中央と対戦することが決定。広島県勢連覇を目指してスタートを切る。

 「一戦一戦大事に」や「初戦突破」というコメントを残す主将が多かった組み合わせ抽選会の会場。その中で、昨年度優勝チームを輩出した広島県の代表校・広島観音MF柳田優介主将(3年)は違った。「昨年の広島県代表の成績を超えることはできない。自分たちができることは並ぶことだけ。昨年と同じ成績、優勝旗を持って帰ることが使命だと思っている」と力を込めた。

 初戦の対戦相手は山形県大会決勝(対羽黒)で4-3という壮絶な試合を制して全国切符を掴んだ山形中央。宍戸隆典主将が「(広島観音は)強いと思う」と警戒したのに対し、柳田主将は「絶対厳しい試合になると思う」と口にした。ただ、加えた言葉がある。「初戦で負けたら恥ずかしい。広島県代表としてのプライドがある。結果にこだわりたい」。
 
 チームのモットーは「強い奴が勝つんじゃなくて、勝ったチームが強いんだ」。FW竹内翼、DF岡崎和也とファジアーノ岡山入りを決めている2選手だけでなく、前線から守備陣まで好選手の揃う実力派。9月~10月の全日本ユース選手権ではプリンスリーグ九州王者の東福岡(福岡)や07年度の高校日本一・流通経済大柏(千葉)を下して堂々の16強入りを果たした。個の高さに加えて戦術面も重視しているが、チームの最も大きな武器は一丸となって最後少しでも相手を上回る、そして頑張りきれるところ。苦しい試合になっても、勝ち切る力を山形中央との初戦から出して勝つ。

 広島皆実と対戦した広島県大会決勝では、緑のファーストユニフォームではなく、自ら白のセカンドユニフォームを選択して試合に臨んだ。「(昨年広島皆実が日本一に立った時と同じ)緑と黒のユニフォームを見て闘争心を高めようと思った」(柳田主将)。そして事実、広島皆実をPK戦の末に下して掴んだ代表権。全国4000校を超える高体連加盟校がある中で、唯一昨年度の日本一校を破ったチームが、強い「使命感」とともに再び広島県に栄冠をもたらす。

<写真>握手を交わす広島観音・柳田主将(右)と山形中央・宍戸主将
(取材・文 吉田太郎)

特設:高校サッカー選手権2009

TOP