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[大学選手権]明治大が2戦連続PK勝ちで11年ぶり4強

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[12.23 全日本大学選手権準々決勝 明治大1-1(PK4-2)鹿屋体育大 平塚]

 第58回全日本大学サッカー選手権は23日、準々決勝を行い、明治大(関東3)は鹿屋体育大(九州2)に1-1からのPK4-2で競り勝ち、98年以来、11年ぶりのベスト4進出を決めた。

 明治大は19日の1回戦・仙台大戦(0-0、PK5-3)の4-2-3-1から4-4-2にシステムを変更。2トップはFW山本紘之(3年)とFW阪野豊史(1年)が組んだ。立ち上がりから出足の早いプレスで試合の主導権を握り、山本、阪野の2トップも体を張ったポストプレーでボールを落ち着かせるなど試合の入り方は良かった。

 前半17分にはサイドチェンジを受けた右サイドバックのDF鹿野崇史(3年)が阪野にパス。阪野は鋭い反転から強引に右足でシュートを放つと、GKの弾いたボールに鹿野が詰め、左足で先制点を奪った。

 鹿屋体育大は全体に動きが重く、なかなかリズムをつかめない。前半12分にFW中筋誠(4年)、同21分にMF桃井宏和(1年)がシュートを狙ったが、いずれも遠めからで、相手陣内の深いところまで攻め込めなかった。

 ところが、前半22分、鹿屋体育大がラッキーな形で同点に追いつく。PA内で明大のDF蛭田達也(4年)がハンドを犯し、PKを獲得。これを中筋が落ち着いて決め、1-1と試合を振り出しに戻した。

 同点に追いついたことで落ち着きを取り戻したか、ここから鹿屋体育大の選手の動きは良くなった。前半28分にはMF多田高行(3年)の左クロスから中筋が左足ボレー。惜しくも枠を捉え切れなかったが、流れを引き戻し、前半を1-1で折り返した。

 後半最初のチャンスは明大。後半9分、MF小林裕紀(3年)のロングフィードに山本が抜け出すと、DFを弾き飛ばし、GKと1対1に。しかし、右足で狙ったシュートはわずかにゴール右にそれ、絶好の勝ち越しチャンスを逃した。

 明大は後半11分、1回戦を負傷欠場したMF山田大記(3年)を投入。司令塔の復帰でリズムをつかみたかったが、鹿屋体育大も高い位置からプレッシャーをかけ、明大を自由にさせない。ボールを奪えば、前線の中筋が高さと強さで起点をつくり、ゴールを狙った。

 試合は一進一退の攻防となり、明大は後半33分に阪野に代えて、1回戦を負傷欠場したFW久保裕一(3年)をピッチに送り込んだが、試合を決めることはできなかった。

 後半のシュート数は明大が3本、鹿屋体育大は0本。互いに決め手を欠き、延長戦に突入した。延長後半には両チームに決定機が訪れる。鹿屋体育大は延長後半4分、縦パスを受けたFW岡田翔平(2年)が反転から抜け出し、GKと1対1になるが、素早く飛び出してきたGK高木駿(2年)が体を張ってセーブ。明大も直後の延長後半5分、カウンターから山田のラストパスにMF都丸昌弘(4年)が抜け出したが、GK井上亮太(1年)が1対1を抑える。互いに守護神が気迫のセービングを見せ、試合はPK戦にもつれ込まれた。

 PK戦では先攻の明大が4人連続で成功させたのに対し、鹿屋体育大は1人目のMF赤尾公(4年)、4人目のMF梅村匠人(4年)のキックがGK高木に阻まれた。PK4-2。明大が2試合連続でPK戦を制し、26日の準決勝・関西大戦に駒を進めた。

<写真>2試合連続のPK勝ち。明治大イレブンがGK高木駿(21番)に駆け寄る

(取材・文 西山紘平)

特設:大学選手権09

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