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[高校MOM182]八千代MF齋藤昂太(2年)_初勝利導いた新司令塔

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.16 千葉県高校新人大会3回戦 八千代 3-1 柏井 八千代G]
 
 全国高校サッカー選手権で3試合に先発した右MFは、新チームでは中盤の底の位置から攻撃を司る。この日、八千代MF齋藤昂太(2年)はとにかくボールに絡み、攻撃の場面には常に顔を出していた。「彼が一番頑張っていた」と評価した砂金伸監督が、試合後「(齋藤ひとりに頼り切って)昂太がマンマークにつかれたらどうするつもり?」と他の中盤の選手に尋ねたというほど、齋藤の奮闘ぶりは際立っていた。

 この日スタートした八千代の新チームで、昨年からのレギュラーは齋藤とFW大和久弘樹、中谷幸葉(いずれも2年)の3人だけだった。その中で齋藤は守備では公式戦経験がなくうまく試合に入れないチームメイトをフォローするかのように、激しいチェック。相手の中央突破を阻み、警告を受ける場面もあった。攻守に誰より動き回っていたが「思っていたよりも出来は悪かった」と齋藤。加えて「もっとシンプルにプレーしなければいけなかったし、もっと意図的にサイドを使って攻めなければいけなかった」と首を振った。だが、後半13分には右サイドのスペースを見逃さず、同点ゴールの起点に。そのほかの場面でも効果的なパスを送り、セットプレーのキッカーを務めるなど、この日、齋藤はチームにとって欠かせない存在だった。

 もう一度全国で戦いたい思いがある。自身初の全国選手権は不満の残る戦いだった。「緊張して本当にダメだった。自分たちのサッカーもできなかった」と振り返る。特に敗れた関大一(大阪)戦ではMF濱野友旗とMF梅鉢貴秀という、相手の2年生選手2人にゴールを許し敗れている。同じ2年生の自分が彼ら以上の活躍ができていれば、という悔しさが残った。
 今回の冬は実力派がそろっていた先輩たちに連れて行ってもらった全国選手権だった。今度は「自分が引っ張っていかないといけない」と誓うMFが、中心となって手にしたこの日の1勝。名門の新司令塔は1年後の冬へ向けて、「不満」ながらもまずは第一歩を踏み出した。
 
(取材・文 吉田太郎)

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