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ナイキ『THE CHANCE』“日本代表”の高校生4選手最終日コメント

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 世界的スポーツブランドのナイキが才能ある若きフットボールプレイヤーを世界中から発掘するプロジェクト『THE CHANCE』は22日、一次選考を突破した32名を2チームに分けて合格者8名を決める選考試合(25分×3本)を開催。世界40を超える国々から約75,000人が参加したプロジェクトの最終選考に残った日本人高校生選手、MF熊田陽樹(流通経済大柏高)とMF木下ロベルト(益子芳星高)はチームメートとしてそれぞれ2本目と3本目に出場し、熊田が3本目16分に2-1となる決勝点を決めるなどアピールしたが、合格者8名に名を連ねることはできなかった。
『THE CHANCE』は11年シーズンも開催される。

以下、今回参加した日本人4選手のコメント
●MF熊田陽樹(流通経済大柏高)
「日本と比べて球際強かったので、丁寧に止めて行こうと。止めて抜け出すところは通用したと思う。悔いのないようにやってきた。悔いはありません」
―決勝ゴールについては
「最高だった。ボールがずっと来なくて焦りも感じていた。最後決められてよかった。もっと縦に行けたと思うし、当たりもできていなかった。でもあの場面はスペースを見つけて入っていったのがよかった。とにかくボールが来てからは速くシュートを打とうと。ダフらないように抑えて打とうと思っていた。ゴールのイメージはしていた。あれで乗ったけどその後に削られて・・・・・・」
―足の負傷は?
「前半の方にやられていた。(3本目に負傷した)左足の方はかなり痛い」
―3日間を振り返ると?
「ハードなスケジュールだったけど高校サッカーで鍛えられていたので最後までやり切れた」
―落選していた平野、宮崎からメッセージはあったか?
日本人として頑張れ。期待されている。行けるよと言ってくれた」
―来年『THE CHANCE』に挑む選手たちへメッセージを
「今回、(海外から)日本人の見方は変わったと思う。日本人の技術は世界でトップクラスだし、体力も運動量もある。自信持っていい。(自分自身)点決めたりアシストすることが2日連続でできた。でもミスが多かった。簡単に失うこともあった。ずっと長くアピールできるようにしないといけない。継続的にしなければいけなかったのにきょうは(活躍が)単発だった。(日本人が合格するためには)どれだけ長くいいプレーをすることができるかだと思う」

●MF木下ロベルト(益子芳星高)
「11人制のゲームであまりいいところを見せられなかった。調子もよくなかった。パスひとつにしてもドリブルにしても自分じゃないみたいなところがあった。まだ(合格する)レベルに達していないと感じた。(海外の選手は)みんなうかるのに必死だったと思う。それに圧倒された感じだった。日本ではこんなに必死にプレーしない。タックルひとつにしても厳しかった。ここに残ってくる選手は強いし、速いしあまりの強さにビビッた」
―2本それぞれのプレーについて
「2本目はサイドバックで運動量はできたと思うけどボールが出てこなくて。アイツら(海外選手は周囲を)見れていないし、(スキルが低いために)逆サイドへの展開とか出せないんですよ。ポジショニングは間違いなく日本人の方が上。ボールが出てくれば精神的にもまだいけたと思うけどボールがこなかった。3本目はドリブルもパスも出せなかった。こういう日もある。2本目までは自分らしくできていたけど3本目はダメ。みんな思ったよりもうまかった。通用したのはポジショニングだけ」
―残念ながら落選となったが
「状況判断の速さはみんな早い。プレスに行くときの状況判断とかが自分には欠けていた。(一方で)フィジカル面は意外とやれてすごく勉強になった。ドリブル、パスも通用したと思う。ただ自分的にはボディコンタクトに自信があったけど、通用しなくて。どうすればいいか考えていたけど、最後のゲームでつかめなかった。気持ちの強さは変わらなかったけど、(合格組に比べると)勝負強さも少し欠けていた」

●MF宮崎弘輝(法政二高)
「この経験は世界で100人、日本では4人しかできないもの。すごくいい経験になった。そんなに簡単にできることではない。これから先、自分にとってプラスになると思う」
―3日間で学んだことは
「得点が大事だということ。もっと貪欲にやることを学んだ。自分に足りないところをしっかりと伸ばしていきたい」
―高校を卒業して4月から新しいスタートとなるが?
「大学でサッカーをやることを考えている。今回それに近いレベルのフィジカル、フィットネス、速さを感じた。この経験は生かせると思うし、生かさないといけない。海外での経験を生かしていく。自信は力になる。これから大学サッカーでやる選手たちは今回の経験をしていない。自分の大きなプラスになる」

●MF平野伊吹(尚志高)
―海外の選手と日本人選手との差とは
「ボール捌きや切り返しが大きくて、すごい長い距離を走ってくる。これは筋力がすごいからできること。日本や合格した韓国の選手はまじめで勤勉なところ、ポジショニングが評価されたのだと思う。(自分自身は)ドリブル、1対1には自信をもっている。ここは通用したと思う」
―またプロへ挑戦することになる
「自分の足りないところを見えた。プロを目指して上げていくうえで治していかなければならない。今回を通して、Jリーグに入って、そして海外でやりたいという気持ちが昔以上に強くなった」
―『THE CHANCE』とはどのようなものだった?
「8人に選ばれて、イギリスで1年間学ぶことができる。もし残れていたら人生変わっていた。だからこそすごく悔しい。すごく大きなチャンスだった。この悔しさを次につなげたい」

(取材・文 吉田太郎)

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