beacon

目指せJFL!2011]苦節を乗り越えY.S.C.CがJFLへ!選手・監督のコメント:吉野理事長のYS通信(vol.6)

このエントリーをはてなブックマークに追加
[12.4 地域決勝決勝L第3節 藤枝MYFC 1-1(PK7-6) 横浜スポーツ&カルチャークラブ 長居第2]

 JFL昇格がかかる第35回全国地域サッカーリーグ決勝大会の決勝ラウンドは4日、最終第3節を大阪長居第2陸上競技場で行った。すでに4日に2位以内を確定させていた横浜スポーツ&カルチャークラブ(Y.S.C.C)が勝ち点7で優勝。そして藤枝MYFCが勝ち点6の2位となり、この2チームは来季からのJFL自動昇格が確定した。3位は勝ち点5のHOYO AC ELAN大分、4位は同0のSC相模原だった。3位のHOYO AC ELAN大分は、JFLとの入れ替え戦に回る。

[吉野理事長のYS通信]

 快晴の最終日。光差し込むピッチ。昨日の喜びは立ち消え、本日の試合に備える選手・スタッフたち。9:30。ロッカールームで始まったミーティングで、選手への感謝の気持ちを伝え、応援いただいている人たちのために、記録に残る結果と記憶に残る試合をしようと呼びかけた。

 昨日、PKでよもやの敗戦をした藤枝MYFCは、今日の試合を勝つと負けるでは、気分的に天と地ほどの違いがある。その気持ちが彼らのパフォーマンスを後押ししたゲームの序盤。藤枝の前線からのハイプレッシャーに困惑している間に、開始から3分、FWアランの豪華な一撃を見舞った。

 目が覚めたイレブン。本来の動きを取り戻したYS戦士は、MFの吉田・小澤・平間・須原のカルテットが巧みなコントロールでボールを動かし、吉野、後藤、辻が前線で相手を撹乱した。そして19分、タメを作っていた吉野から後藤にボールが入り、精度の高いボールをDFとGKの間に配球。勢いよく走り込んだMF吉田が左足でうまくゴールに流し込んだ。

 選手もベンチもスタンドにいるサポーターも今年3回目の藤枝戦の位置づけを分かっている。3度目の正直のリベンジを期待している。決着をつけるべく、追加点を取りに行く意気込みが選手たちの動きに拍車をかける。吉田の動きが、スイッチとなって攻勢をかけるも前半は1-1のまま終了した。

 お互い1位を狙うにふさわしいせめぎ合いであり、2011年度の地域リーグ決勝大会ファイナルにふさわしい試合内容となった。試合の位置づけを理解している選手たちは、忘れられてしまう2位より記録に残る優勝を目指している。信頼して送り出した前半のメンバーで、チェンジなく後半に臨む。

 後半は一進一退の展開で攻守の切り替えが早い展開になったが、いつもの落ち着きがあれば、崩せる部分もあり、どちらも勝ちたい気持ちと負けたくない気持ちが重なって、焦りや消極的になっているように見えた。

 それでも、それぞれに抱えている思いを胸に戦っている選手たちは、何とか1点を取ろうと、相手ゴール前に迫り、辻、吉田が決定機を作るもシュートはネットを揺さぶることはなかった。サッカー王国静岡のプライドと関東3連覇のプライドのぶつかり合いの中で、王国の底力は過去2試合よりも力強く発揮され、90分間では1-1の引き分けだった。

 この時点でPK戦の結果がどうであれ、優勝が確定した。最終戦は3年連続PK戦となったが、過去2年間とは格段に意味合いが違うものとなった。6-7で敗れたが、選手たちを讃えたい。

 大会に入る前に、今年の空気を感じ、昇格できると感じていた。選手とスタッフの人間関係を見たときに感じとれるものがあった。その空気から昇格するなら優勝して、圧倒的な勝ち方で昇格しようとスタッフとは話していたことが現実になり、全国チャンピオンに恥じない、美しく勝利することができたことを誇りに思う。

 我々の歩んだ道は、正当なものであるとフットボールの神様がほほえんだ瞬間に立ち会えたことは生涯の財産になると思いつつ、これから始まるいばらの道に気を引き締め、すべての応援者の方々に、JFLというステージで、さらに進化したフットボールをお見せすることで、感謝の意を表したいと思います。

 ご声援ありがとうございました。これから開幕まで、チーム強化と運営強化に奔走する3か月となります。年間経費が3000万円以上掛かかるリーグへのチャレンジになりますので、スポンサー活動も募集しています!!

以下は、偉業を成し遂げた監督と選手たちのコメントをお伝えします。

●鈴木陽平選手兼監督
「最高の舞台で最高のパフォーマンスをしてくれた選手に感謝しています。またそれを引き出してくれた沢山のサポーターにも感謝しています。有り難うございました。来年のJFLでは、戦えるチーム、誰からも愛されるチームにしたいと思います」

●アルテ高崎から移籍してきた地元出身のMF吉田明生
「地域決勝大会を終えて、話では聞いていましたが、正直これほど厳しい戦いだと思いませんでした。しかし、このチームで戦い抜けJFL昇格ができたことを大変嬉しく誇りに思います。自分を支えてくれた家族、チームを支えてくれたチーム関係者、そしてサポーターの皆さんにに心から感謝しています。来季は、個人としては再びJFLに挑戦できることを嬉しく思います。チームとしてはまだまだ課題は多いと思いますが、どのくらい通用するのか、とても楽しみです。JFLでの戦いを楽しみにしています」

●キャプテンのDF服部大樹
「今大会はとてもタフな戦いでしたが、優勝できてよかった。来年はYSCCのサッカーがJFLで通用する事を証明したい」

●エースFW辻正男
「決勝ラウンド振り返ると、最高の仲間と最高の結果を出すことができました。厳しい試合ばかりでしたが、みんなよく声を掛け合って助け合いながら、自分たちのサッカーを出すことができました。チームのみんなやスタッフ、ファンの方々に感謝です。来年はついにJFLですが、自分のスタイルに磨きをかけて、たくさん点をとりたいです」

(取材・文 吉野次郎)


▼関連リンク
第35回全国地域決勝大会特集ページ

TOP