beacon

[全日本女子選手権]川澄、2012年の誓い!!五輪へ「全てを出し切って結果を待ちたい」

このエントリーをはてなブックマークに追加
[1.1 全日本女子選手権決勝 INAC神戸3-0新潟レディース 国立]

 INAC神戸を主将として率いた、なでしこジャパンのFW川澄奈穂美だったが、優勝カップを掲げることはしなかった。今季限りで現役引退を表明している、FW米津美和に"大役"を譲った。米津は「世間は川澄を求めていると言ったんだけど、持てよと言われたので」と笑顔。7シーズンをINACで戦い抜いたベテランFWは「ずっしりきました」と優勝カップの重みを振り返っていた。

 この日の川澄は不発に終わったものの、3-0と試合を決定づけるゴールを演出。左CKのキッカーを務めると、相手守備陣が出遅れたのを見逃さずにショートコーナーを選択。これを受けたMF南山千明のクロスからDF田中明日菜がゴールを決めた。試合後、川澄は「FWからするとFWが点を取って勝つのがいいが、きょうのように他の中盤の選手が取ってくれたのはチームとしてよかった」と話した。

 川澄にとって、今シーズンは激動の1年だった。全日本女子選手権での初優勝に始まり、日テレ・ベレーザからMF澤穂希やFW大野忍、DF近賀ゆかり、南山の4選手がINAC神戸に加入してきた。戦力が大幅にアップしたが、当初はなかなか噛み合わなかったという。それでも「ほとんど1年目のチームとしてやっていくうちに、(息が)合っていった」。そしてリーグ戦が中断となった7月には、日本女子代表の一員として活躍。女子W杯ドイツ大会で世界一の偉業を達成し、一躍、ニューヒロインとして知名度は急上昇した。その後のロンドン五輪最終予選では、首位通過で本大会出場を決めた。そして帰国後のなでしこリーグでも、快進撃を続け、リーグ初優勝を達成した。そして、元日に行われた全日本女子選手権で優勝。2年連続で日本一の戴冠に輝き、今シーズンを終えた。

 躍進の1年を終え、「選手を続けていくなかで、いい時期だけではないとは思っているが、この1年はいい1年だったと思う。これを自信に思いながら、ステップアップしていきたい。もっと自分がチームを引っ張っていきたいというのは、現役をやっている限りはめざしているところなので、精一杯やっていきたい」と早くも来シーズンへ思いを馳せた。今年はいよいよロンドン五輪本大会も控えている。「どの国もどのチームも勝つためにやってくる。負けて悔しいという前に、もっとできることがあったんじゃないかと、あとから思わないように。すべてのことをやり切って、出し切って結果を待ちたい」。2011年に輝きを放ったシンデレラガールは、来シーズンも地道な努力を重ね、世界を舞台に活躍するつもりでいる。

(取材・文 片岡涼)
▼関連リンク
第33回全日本女子選手権特集ページ

TOP