[6.1 高校総体大阪府予選決勝リーグ第2戦 近大附1-0金光大阪 J-GREEN堺]

　平成25年度全国高校総体「2013 未来をつなぐ 北部九州総体」サッカー競技大阪府予選の決勝リーグ第2戦が1日、J-GREEN堺で行われた。初戦引き分けの近大附は金光大阪に1-0で勝利。2年連続9回目となる全国総体出場へ前進した。近大附は2日、履正社とリーグ最終戦を行う。

　立ち上がり数分こそ、MF守田英正、正條光紘(ともに3年)のダブルボランチを起点にサイドを使う金光大阪に主導権を奪われたが、DF吉野晃基(3年)を中心とした近大附DF陣がゴール前をしっかりと抑えこみ、シュートまで持ち込ませない。奪っては素早いパスワークと大きな展開で攻撃へと転じ、チャンスを伺った。

　試合が動いたのは12分、左サイドを抜け出したMF下田義起(3年)がゴール前へとパス。PA中央で受けたMF田上怜(3年)が後方に落とし、MF黒岡篤史(3年)がロングシュートを狙う。これは金光大阪GK岩田静也(3年)のパンチングに阻まれ、惜しくもCKとなったが、近大附は一度掴んだ良い流れを逃さない。下田が蹴ったこの右CKをPA左のMF京井奎樹(3年)が頭でゴール中央へ折り返し、最後はDF鈴木直也(3年)が頭で押し込んで先制する。

「早い時間で先制点を奪って1-0での勝利を狙っていた。相手はリードを取られた試合をほとんどしていない。うちも先に点を取られると苦しんでしまうので、楽な試合にしたかった」。山田稔監督の狙い通りの展開で前半を折り返した近大附だったが、後半に入ってからは厚みをかけて仕掛ける金光大阪の攻撃に押される場面が増え出す。

　それでも、「金光の左SB新家碧(2年)のオーバーラップ、守田と正篠のダブルボランチの飛び出し、強力な相手のセットプレーという3つを警戒していた。セットプレーを多く与えてしまったけど、全体的には上手くやれたと思うし、セカンドボールも先に触る意識が高かった」と山田監督が賞賛を送ったように、近大附は何度も自陣に攻め込まれても、確実にボールを奪い取る。さらにはFW金蔵和仁、谷太貴(ともに3年)らフレッシュな選手を途中出場させて、チャンスを作ることでDFラインの押し上げにも成功。ボールこそ動かされはしたものの、ほとんどシュートに持ち込まれる危ない場面のないまま勝利へと持ち込んだ。

　初戦の阪南大高戦はリードを奪いこそしたが、試合終了間際に守備陣の連係ミスから失点し、あと一歩の所で引き分けに終わってしまった。勝たなければ全国への道が閉じてしまうこの日の試合は、相手にボールこそ持たれたが、「守備の場面で集中力を切らさずに守れたのが無失点の要因。相手の良さを消すために守備からしっかり集中して、試合を運んでいこうと言っていた事が出来たのが勝ちに繋がったと思う」(下田)と守備陣の修正が勝利へのターニングポイントとなった。

「守備がしっかりすると、攻撃も良くなるし、今日の守備の出来の良さは大きい」。指揮官がそう評価したように、この日の1勝は先に繋がる非常に大きな1勝となるはずだ。

(取材・文　森田将義)

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