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[総体]怒涛の9ゴールで野洲が決勝進出:滋賀

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[6.6 全国高校総体滋賀県予選準決勝 野洲9-2北大津 布引運動公園陸上競技場]

 平成25年度全国高校総体「2013 未来をつなぐ 北部九州総体」サッカー競技滋賀県予選の準決勝が6日、布引運動公園陸上競技場で行われた。新人戦王者の野洲が北大津に9-2で大勝し、8日に同会場で行われる決勝戦へと駒を進めた。

 MF望月嶺臣(現・名古屋)ら1年時から主力を担った黄金世代ともいえるメンバーが卒業し、新たなスタートを切った今年の野洲。新チーム立ち上げ直後の新人戦では「昨年と比べればずいぶん質が落ちたなと(笑) 目も当てられへん事もあるし、サッカーちゃうやん? と思うこともあるけど、昨年の事をどうこう言っても高校サッカーやからしゃーない。今年の子らがまたサッカーが楽しくて、見ている人が楽しめるサッカーをしたい」と山本佳司監督は笑いを交えて話していた。

 ただ、監督の言葉通り、相手を圧倒するパスサッカーで見る者を魅了した昨年のチームに比べ、技術面では落ちるものの、今年ならではの武器もある。

 この日の前半も、「フィジカルが強い選手だったり、高さのある選手がいるんで、彼らの良さを出していきたい」(山本監督)という2013年度の野洲スタイルで相手を攻め込んだ。戦前に想定していたよりもDFラインを高く設定してきたという北大津に対し、野洲は前線から積極的なプレスを徹底。奪ってからはショートカウンターと細かいパス回しからサイドを変える斜めのスルーパスで相手の背後をシンプルに攻略し、ドリブラーのFW藤浦裕也(3年)、スペースへの飛び出しが光るFW田畑翔伍(2年)の両ウイングを中心に相手ゴールに襲い掛かった。

 狙いがハマり、均衡が崩れたのは9分。右サイドの攻撃から奪ったCKをゴール前で主将のMF西村仁志(3年)が頭で合わせて、先制する。直後の13分にも右サイドでの細かいボール回しから藤浦が逆サイドのスペースへとスルーパス。受けた田端が落ち着いてゴール右隅に流し込むと、17分にはFW中村真輝(3年)、18分にも田畑がこの日2点目となるゴールを決めて、4-0と大差をつけて前半を折り返した。

 後半に入ってからも野洲のゴールラッシュは止まらず、開始直後の2分に投入されたばかりのルーキーMF林雄飛(1年)がゴール前での細かいボール回しから奪った5点目を皮切りに13分には高森詠人(3年)、15分と30には林、37分にはDF尾崎正浩(3年)が決めて終わってみれば、9得点を挙げての大勝となった。

 ただ、16分と25分に北大津MF井上水晴(3年)のパスからFW石田一輝(3年)にゴールを許すなど課題も残す結果となり、山本監督は「内容的にあかんかった。褒められた試合じゃない。良かった部分は決勝に駒に進めたことくらい。後半の2失点にめっちゃ腹が立っている。集中力を切らして、守備の意識が薄かった」とおかんむり。中村も「前半で4点取って、試合が決まっていたんで、ハーフタイムに無失点でいこうと話していた。2失点したことが課題」と反省を口にした。

[写真]野洲は西村の先制ゴールなど怒涛の9ゴール

(取材・文 森田将義)
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