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[総体]日本一以来の全国へあと1勝!堅守・鵬翔が宮崎日大振り切る!:宮崎

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[5.30 全国高校総体宮崎県予選準決勝 鵬翔高 1-0 宮崎日大高 宮崎県総合運動公園サッカー場]

 平成26年度全国高校総体「煌(きら)めく青春 南関東総体2014」サッカー競技(山梨)宮崎県予選は30日、準決勝を行い、12年度全国高校選手権優勝の鵬翔高宮崎日大高との一戦はFW盛田享佑(2年)の決勝ゴールによって1-0で鵬翔が勝った。鵬翔は31日の決勝で日章学園高と対戦する。

 宮崎県勢初の日本一に輝いた12年度から一転、13年度は総体、選手権予選ともに準決勝で敗退し、全国に手が届かなかった。松崎博美監督は「(プレッシャーは)そうでもなかったですよ」と微笑んだが、例年以上に注目を浴びる中で送った一年で結果を残すことはできず。DFリーダーのCB河野貴志(3年)は「(前年)日本一になって、簡単には行くとは自分たちも思っていなかったんですけど、総体も、選手権も準決勝で負けてしまって、めっちゃ悔しかった」と唇を噛んだ。ただ河野が「今年は先輩の分まで3冠目指しています」と新しいスタートを切ったチームは1月の新人戦を制し、プリンスリーグ九州1部では3位につけている。この日は守勢に回った後半に苦しい展開となったが、それでも指揮官が「ウチの特長。守備のところは良くなってきている」という鵬翔は1点を見事に守り切って決勝進出を決めた。

 鵬翔はオフサイドの判定でノーゴールとなったものの、5分にMF中平海(3年)のFKでタイミング良く飛び出したMF内倉蓮(3年)が合わせ、9分には前線でボールを収めた盛田の右足ミドルがゴールを襲う。立ち上がりからその盛田と選手権日本一メンバーの13年U-17日本代表候補FW北村知也主将(3年)との2トップが攻守ともに利いていた鵬翔だったが、宮崎日大も10分過ぎから左足で長短のパスを操る司令塔・MF濱砂大輝(3年)や中盤へ下がって攻撃を組み立てるMF前田椋介(2年)を軸としたポゼッションで攻撃のリズムを掴みだす。15分にはMF木場悠作主将(3年)が左サイドでの巧みなターンからスルーパス。これがPAへ飛び出した前田へ通り、18分にはカウンターから濱砂とFW町田優雅(3年)のコンビでチャンスメークする。

 ただしっかりと守備ブロックをつくり、北村と盛田のコンビが相手のCB、SBにプレスをかけてミスを誘う鵬翔は試合の主導権を渡さない。ボールを持たれる時間こそ増えたものの、カウンターからスピードのある攻撃を展開。20分には相手CBが浮き球の処理を誤ったところを奪った盛田が右足シュートへ持ち込み、27分には左MF斉藤健太(3年)からのパスを受けた北村が鋭いターンでDFを置き去りにすると、そのまま強烈な左足シュートを打ち込んだ。

 枠を捉えた痛烈な一撃は宮崎日大GK下島裕次郎(3年)が好反応でストップ。28分に鵬翔が右CKから迎えたチャンスも下島が何とかボールを手に引っ掛けた。それでも30分、鵬翔は左オープンスペースへ展開すると、「盛田が走りこんできていたので、しっかりと合わせるようにしようと思って蹴りこんだら、合わせてくれました」という北村が完ぺきなクロスボール。これを盛田が頭でゴール右隅へねじ込んで先制した。

 後半は開始40秒、強引に局面を打開した北村が右足シュート。対する宮崎日大は7分にこの試合最大のチャンスを迎える。前田とのコンビで左サイドから一気に抜け出した町田がPAへ侵入。そのままニアサイドへ右足シュートを放ったが、GK矢野嵩大(2年)がわずかに触れたボールは、その後乾いた音を残してゴール外側へ外れた。前線で奮闘する町田や濱砂を起点に反撃を続ける宮崎日大だが、172cmながらも空中戦の強さを見せるCB田原翼(2年)と184cmの門番、河野の鵬翔CBコンビを切り崩すことができない。

 それでも攻め続けた宮崎日大は後半アディショナルタイム、右サイドを破った木場の折り返しから前田が粘り、最後はこぼれを濱砂が得意の左足で狙う。ただゴール至近距離からGK頭上へ放たれたボールは、「身体小さいけれど、反応がいい」(松崎監督)という矢野が再び好反応を見せてキャッチ。直後に試合終了となった。

 4年ぶりとなる全国高校総体出場へ王手をかけた鵬翔の松崎監督は「守備もまだコンスタントにできていない。ここまでの3試合はあまり良くなかった。(攻撃は北村に頼り過ぎている面もあるので)もうちょっと中盤を構成したい」と課題を口にした。日本一を知る世代が最終学年となった今年。再び全国の頂点へという想いはもちろんある。北村は「プレッシャーとかというよりも自分たちの新しい目標として頑張っていけたらいいと思っています」。まずはあの冬以来となる全国へ。鵬翔が日章学園との名門決勝対決を制して全国舞台へ名乗りを上げる。

[写真]前半29分、鵬翔はFW盛田(左)のゴールで先制

(取材・文 吉田太郎)

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