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[MOM1052]大阪桐蔭MF久保田和音(3年)_関西の注目MF、“男らしさ”増して真の中心選手に

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[6.7 全国高校総体大阪府予選決勝リーグ第2節 大阪桐蔭高 2-0 阪南大高 J-GREEN堺]

 昨年のプリンスリーグ関西王者である大阪桐蔭高を引っ張るべき、中心選手MF久保田和音(3年)が復調の兆しを見せた。2年生だった昨年度から高いテクニックを活かし、ボランチの位置からゲームコントロール。チームの心臓として、輝きを放っていた。加えて、早生まれである彼は2年連続で大阪の国体少年男子のメンバーにも入り、昨年度の大会では全国準優勝へと導く原動力となった。だが、最終学年を迎えた今年は「国体の時と桐蔭の時で役割が違っていて、戸惑いがあったと思う。加えて、彼の優しい性格が影響し、プレー面での要求をしても周囲が受け入れてくれず、合わない場面も多かった」(永野悦次郎監督)。チームも彼の不調と足並みを揃えるように苦しみ、プリンスリーグでも思うように勝ち点を伸ばす事が出来なかった。

 だが、「ちょっと女の子っぽい部分があったけど、もっと堂々と周りにお前の思っている事をはっきり出していい。もっと男らしさを出して、チームリーダーになってみろ」と指揮官から声をかけられた事をきっかけに彼のメンタルも変化。「監督にそんなん言われたら、男になるしかない。チーム全体をまとめられるような声かけをしないといけない」と成長を誓った。

 総体予選では“男らしさ”が増した彼の成長と共にチームも勝ち進み上位4校による決勝リーグまで進出した。この日の試合でも、「何でも出来るのが僕の特徴」と自信を見せたように、上手く状況を判断しながら、ドリブルとパスでゲームをコントロール。「もう一人の久保田(貴大)がワンタッチではたいてくれると、僕がボールを持てたり、リズムを作れる。二人でカバーしながら、バランス良く交互に出ていくなど、良い関係が作れている」という小学校からの知り合いで、中学時代は愛知県のFC豊橋デューミランで共にプレーした久保田貴大との息の合ったボランチコンビで攻撃を牽引した。

 後半4分にはPA右外でチームメイトが得たFKを直接ゴールに沈め、貴重な追加点を獲得。「狙っていたけど、入って良かった。いつも練習しているけど、公式戦ではあまりなかった。たまたまですね」と安堵の表情を浮かべた一撃でチームの勢いを再加速させると、以降は「今日はピッチがスリッピーやったんで、どんどん狙っていこうと思っていた」と積極的にミドルシュートを打つなど攻撃の中心として、存在感を発揮した。
 
「総体で日本一になって、良い状態で選手権に挑んで、選手権でも日本一になりたい。そのためにも大阪は絶対に勝たなければならない」。そう語る勇猛果敢。チームをまず大阪一へと導くために、最終日の金光大阪高でも中心選手が“男らしさ”を見せてくれるはずだ。

(取材・文 森田将義)

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