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[総体]昨年度高校選手権4強の京都橘が完ぺきな守備で7年ぶりに夏の全国へ!!:京都

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[6.8 全国高校総体京都府予選決勝 京都橘高 1-0 立命館宇治高 西京極陸上]

 平成26年度全国高校総体「煌(きら)めく青春 南関東総体2014」サッカー競技(山梨)京都府予選は8日に決勝戦を行い、昨年度全国高校選手権ベスト4の京都橘高と、新人戦王者の立命館宇治高が対戦。京都橘が1-0で勝利し、07年以来7年ぶり2度目の全国総体出場を決めた。

 立ち上がり、まずチャンスを作ったのは京都橘だった。開始3分、FW岩崎悠人が相手DFの背後に抜け出しGKと1対1の好機を作ったが、ゴールが奪えず。対する立命館宇治もDFラインからの丁寧なボール回しで左右を揺さぶりながら、右サイドを果敢に攻め上がるDF岩澤友也のクロスからチャンスを作る。

 試合が動いたのは10分。中央を日本高校選抜FW中野克哉、岩崎と繋ぎ、ゴール前中央右寄りへとパスを展開。「コントロールしていたら、外していたと思う」(米澤一成監督)という、MF大野挙弥が勢いよく右足を振り抜いたシュートが逆サイドネットに突き刺さり、京都橘が先制点を奪う。続く11分にも中野が中央をドリブルで進み、PAに持ち込んだ所で倒れ、PK獲得かと思われたが、判定はシミュレーションでゴールは奪えず。以降も追加点は挙げられないながらも、奪ってから素早く攻撃陣に繋ぎ、FW中野、岩崎、MF大野、仙頭啓生のカルテットが個人技で仕掛けて、ゴール前まで進出する。

 守備では「今回はバイタルエリアの堅さをテーマにしていた。相手の2トップに上手く受けられるとしんどいなと思っていたので、中央をしっかり対応して、外へと追いやるように考えていた」(米澤監督)という狙い通り、自陣まで持ち込まれても、DF林大樹を中心とした守備陣が身体を張って、決定機を与えず。「橘の上手い所はバイタルエリアで自由を与えないポジショニング」と立命館宇治の梁相弘監督が認めた程、完ぺきな守備で、リードを保ったまま前半を折り返した。
 
 後半に入ってからは、「ショートカウンターを怖がりすぎて、引いてしまった」(梁監督)立命館宇治に対し、京都橘攻撃陣が伸び伸びとプレー。後半5分と9分に左サイドで仕掛けた仙頭が決定機を作ったが、追加点が奪えない。後半半ば以降は、積極的な選手交代で流れを変えに出た立命館宇治に押し込まれる場面が増えたが、「給水が終わった当たりから、立宇治の流れに飲まれないように意識していた」(DF林)と京都橘は最後まで集中を切らさず、チーム全員が守備意識を高く持って対応。後半は相手に1本もシュートを打たせず、1-0で逃げ切った。

 京都橘は総体予選が始まるまで、今年から参戦した高円宮杯プレミアリーグWESTで勝利が奪えず、苦しい戦いが続いていた。自信を失うなど、不調を引きずってもおかしくなかったが、「彼らは勝ちたかったと思う。今大会は気持ちの切り替えが上手く行った」(米澤監督)。勝つ喜びを味わいながら、橘らしい粘り強い守備からの素早いショートカウンターを取り戻して掴んだ今大会の栄冠は、「コイツらの自信になると思う」(米澤監督)と最下位に沈むプレミアリーグだけでなく、全国総体にも繋がっていくはずだ。

「僕たち(現役の選手)は総体に行った事がなかったので、ワクワクしている。強い相手ともやれるので、良い経験にもある。暑いのはちょっと苦手だけど、このチームなら大丈夫だと思う。2年前の選手権決勝で負けた鵬翔高や、昨年の選手権準決勝で負けた星稜高と対戦して、勝ちたい」(林)。この2年、冬の選手権を沸かした京都橘が挑む、夏の挑戦は今まさに始まったばかりだ。

(取材・文 森田将義)

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