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[総体]関東大会全勝で自信増した浦和東、5発快勝で埼玉準々決勝進出

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[6.14 全国高校総体埼玉県予選3回戦 飯能南高 0-5 浦和東高 西武台高第2G]

 平成26年度全国高校総体「煌(きら)めく青春 南関東総体2014」サッカー競技(山梨)の出場権2枠を争う埼玉県予選は14日、3回戦を行い、3年ぶりの全国大会出場を狙う浦和東高は飯能南高に5-0で快勝。越谷西高と戦う準々決勝へ進出した。

 5月末から開催された関東大会では各都県2位チームによって行われたBブロックで水戸啓明高(茨城)、常磐高(群馬)、駒澤大高(東京)を下して優勝。伝統の堅守をベースに、今春の校内合宿などで徹底的に磨いてきた1タッチのパスなどポゼッションスタイルを加えたチームは、関東大会での好結果で得た自信溢れる戦いぶりで今大会初戦を快勝した。

「関東大会予選、関東大会と(自分たちがやってきたことが)繋がってきた。硬くならずに積極的に行こう」と鈴木豊監督から送り出された浦和東は立ち上がりから飯能南を押し込むと5分、いきなりスコアを動かした。司令塔のMF大澤潤矢(3年)のスルーパスで抜け出したMF佐藤直輝(3年)が先制ゴール。19分にも左サイドの大澤からのパスを受けたFW須賀優弥(3年)が右足シュートをゴール右隅へねじ込んで2-0と突き放す。

 浦和東は多彩なアイディアを見せる大澤と、シンプルなプレーから一発で局面を変えるような展開も見せる10番MF岩出拓也(3年)のコンビを軸にボールを速いテンポで動かし、豊富な運動量で駆け上がってくるSB佐藤直人(3年)と切れ味抜群のドリブルで仕掛ける佐藤直輝の左サイドが相手DFに穴を開けるなど、分厚い攻撃で飯能南を飲み込んでいく。

 外からの攻撃で相手を広げて縦パスをグサリ。32分にはショートパスで左サイドを崩し、佐藤直人が出したラストパスを中央でMF小濱陽平(3年)が合わせ、35分にも右サイドを小濱が抜け出す。いずれも好反応を見せた飯能南GK竹田寛大(3年)に阻まれて得点することができなかったが40分、浦和東は佐藤直輝の左クロスをファーサイドから走りこんだ小濱がダイビングヘッドでゴールへ突き刺して3-0とした。

 飯能南も相手の厳しいファーストディフェンスを掻い潜った際は個人技の光ったMF志田篤弥(3年)やMF嶋崎渉(2年)の仕掛けや志田、FW鈴木隆吾(3年)のシュートへとつなげた。後半13分には右CKから中央のCB宮本黎(3年)がヘディングシュート。また交代出場のMF松田稜平(3年)の思い切った飛び出しなどで何とか1点を返そうとする。ただ後半は中央、左右両サイドから次々と決定機をつくり出してくる浦和東の前にほぼ防戦一方の展開。CB増原怜也主将(3年)や竹田を中心に必死に守っていたが、前半から相手にボールを支配されて走らされた影響か、次々と足を攣らせる選手が出てしまい、反撃に結びつけることができなかった。

 逆に大澤が思いのままに攻撃を操り、MF下地悠(3年)ら交代出場の選手たちも積極的な仕掛けでアピールする浦和東は、佐藤直輝がポスト直撃の左足シュートを放つなど追加点を狙う。22分にはループパスで抜け出した大澤がGKをかわして4点目。さらに30分には交代出場の右SB高松晴樹(3年)を起点に大澤が足裏で出したパスを下地が左足で決めて5-0とした。

 奪われてからの切り替えの非常に速い守備、バランサーのMF望月海人(2年)や右SBとCBでプレーしたDF山崎聖史(3年)らの支えもあり、浦和東は魅力的な攻撃サッカーを展開して好スタートを切った。まだパスをつなぐ上でタイミングが合わなかったり、相手のDF間が開いていないのにそこへパスを出して引っ掛かってしまうこともある。ただ「(ミスが出ても)トライする事を続けていく。相手を意識しながら動かすという事を言っている」と指揮官が説明する浦和東は、関東大会で引いて守る相手、前線からプレスをかけてくる相手の両方に勝利するなど、経験を積みながら結果を残して来ている。

 目標は日本一。好結果が続いているが、埼玉県1部リーグでは関東大会予選で勝った市立浦和高に1-4で雪辱されるなど、埼玉を勝つことも簡単ではないことも理解している。それだけに佐藤直輝は「日本一を取るためにはまず埼玉で一番を取らなければならない。強い相手でも自分たちのサッカーができるようにしたい」と誓っていた。

[写真]後半22分、ループパスで抜け出した浦和東・大澤がGKをかわして4点目

(取材・文 吉田太郎)

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