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[総体]桃山学院が関大北陽退け、大阪決勝L首位浮上!

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[6.6 全国高校総体大阪府予選決勝L第2節 桃山学院高 2-1 関西大北陽高 J-GREEN堺]

 6日、平成27年度全国高校総体「2015 君が創る 近畿総体」サッカー競技(兵庫)への出場2枠を懸けた大阪府予選は決勝リーグ第2節を行い、桃山学院高関西大北陽高に2-1で勝利。2連勝の桃山学院は首位へ浮上した。

 11年に大阪1位として全国総体に出場している桃山学院は大阪府1部リーグでも首位の実力派。一方、関大北陽は前身の北陽高時代に全国高校選手権と全国高校総体で1度ずつ優勝している伝統校だ。ともにプリンスリーグ関西勢を下すなど勝ち上がって決勝リーグ進出を果たし、桃山学院はその初戦で大阪桐蔭高を1-0撃破。関大北陽は履正社高に0-2で敗れたものの、桃山学院に勝てば全国への可能性が広がるだけに、この試合では勝ち点3を狙って勢いのあるサッカーを見せた。

 試合は前半13分に桃山学院がスーパーゴールでリードを奪う。左サイドから一度後方に落としたボールを右SB丹羽将太郎(3年)が右足でPAに入れると、走り込んだFW桑田青空(3年)が巧みに胸でコントロールしてから体勢を立て直して右足でコントロールショット。前目のポジションをとっていたGKは反応することができず、ゴールへと吸い込まれた。鮮やかな一撃でリードを奪った桃山学院だが、前節・大阪桐蔭戦でスペースを消して守り勝ったサッカーから「上手いこと切り替えができていなかった」(堀佳津之監督)。狙いとした形ではなく、やや後ろに重いサッカーになってしまった桃山学院に対し、10番MF山下大貴(2年)をはじめ、左MF西田恵(3年)、FW田之脇強史(2年)とアタッカー陣にタレント揃う関大北陽のパスワークと突破にやや押し込まれる展開となった。

 関大北陽は17分に西田が獲得したFKから山下が右足を振りぬき、23分には山下の右FKからMF深田竜大(2年)がクロスバー直撃のヘディングシュート。33分には田之脇の突破から山下が強烈な右足シュートを放ち、34分にもMF藤原陸(2年)のパスから山下が放った右足シュートがクロスバーを叩く。一方の桃山学院も堀監督が「悪いなりにゲームをつくっていくこともトレーニングをしてきた。悪いなりにスペースを埋めたり、悪いなりに攻めさせて取りどころを決めたりしていた」と説明したようにハードワークをベースとしたチームの守備が崩れることはなく、セットプレーやサイド攻撃からチャンスをつくり返す。22分に左サイドから仕掛けた桑田青が右足シュート。また30分には10番MF鈴木圭太(3年)の左FKをファーサイドの桑田青が折り返し、最後はMF谷口諒(3年)が決定的なヘディングシュートを放つ。

 俊足MF山本凱世(3年)とMF谷本圭郁斗(2年)の両ワイドになかなかボールを収めることができず、後半も思い通りにボールを握ることができていなかった桃山学院だが、「トーナメントの下の方でできても上でできなかったら意味はない。自分がチームの攻撃の起点になることが求められていること。苦しい中で前でボール収めることで最初の起点になればいいと思っていた」というプロ志向強い10番・鈴木のドリブルがチーム全体を押し上げ、また同サイドからの崩しが多くなった関大北陽の攻撃をCB田上雄大主将(3年)やCB大前耕太(2年)中心に跳ね返して試合の主導権を握っていく。後半8分に右CKのこぼれ球から谷口が放ったバイシクルショットはゴールマウスに阻まれ、13分に鈴木の突破から掴んだチャンスも活かすことができなかったが、関大北陽も13分に相手のミスパスを奪って独走した田之脇のシュートが外れ、19分にも田之脇がスルーパスで抜け出したが、GK桑田禎基に抑えられてしまう。

 桃山学院MF谷口一星(3年)の超ロングシュートや、関大北陽の最終ラインで力強いプレーを見せたCB寺脇仁哉(2年)のヘディングシュートなど互いにスタンドを沸かせ合う中、桃山学院が貴重な追加点を奪う。29分、桃山学院は左SB森章二(2年)が最終ラインのギャップへ動き出していた桑田青にパスを通す。桑田青が強引に左足を振りぬくと、GKが弾いたボールを谷本が押し込んで2-0とした。粘る関大北陽も直後に右サイドからのワンツーでゴール前を横切ったFW安田駿也(3年)がGKに倒されてPK。これを安田が自ら右足で決めて1点差とする。だが、この後チャンスをつくるまでに至らず。2連敗で全国出場は難しい状況となった。一方、2連勝とした桃山学院の鈴木は「チーム全員で勝ち点3取れた試合かなと思います。全員で守備全員攻撃がチーム全員徹底できている」とチームで勝ち取った勝ち点3を強調した。

 桃山学院は激戦区・大阪の決勝リーグで首位浮上。全国に近づいたが、最終節ではプレミアリーグ勢で優勝候補筆頭の履正社が立ちはだかる。桃山学院は引き分けでも優勝が決まる状況だが、堀監督は「勝ち点、得失点考えてということはないですね。次のゲーム勝ち切れるかということを考えています」ときっぱり。桑田青は「次は履正社っていう、みんなから見ても一番強い相手だと思うんですけど3連勝で、次も勝って優勝したいです」。昨年の総体予選は16強を前に敗退。選手権予選も8強を前にPK戦で敗退した。大阪を勝ち抜くことの厳しさを知っているイレブンは油断することなく、勝利を目指して最高の結果を手にする。

[写真]後半29分、桃山学院は谷口(左)が決勝ゴール

(取材・文 吉田太郎)
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