[総体]セットプレー2発決めた東北が延長戦で聖和学園に勝利し、3年ぶりに全国へ:宮城
[6.8 全国高校総体宮城県予選決勝 東北高 2-1 聖和学園高 ひとめぼれスタジアム宮城]
8日、平成27年度全国高校総体「2015 君が創る 近畿総体」サッカー競技(8月、兵庫)の宮城県予選決勝が利府町のひとめぼれスタジアム宮城にて行われた。
決勝進出チームのひとつは3年ぶりの優勝を狙う東北高。プリンスリーグ東北復帰を目指し、宮城県リーグU-18 1部で首位を走る東北は、準々決勝でプリンスリーグ勢の仙台育英高に2-0で完勝。準決勝も仙台三高に1-0で勝利した。もう1チームはプリンスリーグ東北で首位に立ち、今大会の優勝候補である聖和学園高。準々決勝で利府高に1-0、準決勝で宮城県工高に2-0と勝利し、順調に決勝へと駒を進めた。
前半は聖和学園がプリンスリーグ東北首位の強さを見せつけた。4分、ゴールキックを受けたMF高橋勇太(3年)からのパスをMF小野直哉(3年)が受け、ドリブルでゴールに突進。落ち着いてGKとの1対1を決めて先制する。その後も聖和学園が自慢のドリブル突破で東北陣内に押し込み、東北の守備ブロックの間を縫って果敢にゴールを狙う展開となった。東北はカウンター攻撃もなかなか仕掛けられない我慢の展開だったが、CBのDF須田健太(2年)、DF森慎之介(2年)が集中を切らさず、ベガルタ仙台・高橋範夫GKコーチを父に持つMF高橋勇利也(2年)、MF五十嵐健太郎(2年)のボランチ2人も体を投げ出して聖和学園の猛攻を防いだ。前半は1-0で聖和学園リードで終えるが、最少失点で終わったことが後半の東北の反撃につながった。
後半に入り、東北の小野弘信監督は選手交代で徐々に流れを引き寄せた。後半開始から投入したMF山田翔也(3年)が攻撃の核となり、決定機を作り出せるようになっていく。さらにドリブル突破力のあるFW菅野智博(2年)、FW橋本峻輝(2年)を投入し、カウンター攻撃からチャンスを作り出した。そして28分、カウンター攻撃からCKのチャンスを獲得した東北はゲームキャプテンFW小野寺悠貴(3年)のCKからDF伊藤貴海(3年)がヘディングシュート。これが決まって東北は同点に追いつく。聖和学園は体調不良でここまで先発出場を回避し、この日ようやく先発出場したFW谷田光(3年)を中心に何度も決定機を作り出すが、そこに東北GK鈴木悠真(3年)が立ちはだかりファインセーブを連発。1-1で試合は延長戦にもつれこんだ。
そして迎えた延長前半の3分、またしても東北はCKのチャンス。小野寺の正確なキックは頭一つ抜け出た伊藤の頭を正確に捉え、シュートが聖和ゴールに叩き込まれた。共にベガルタ仙台ジュニアユース出身の小野寺と伊藤。伊藤が「長年一緒にやって来たのでヘディングするには最高のボールを送ってくれた」と小野寺を誉めれば、小野寺も「一人だけ高く飛んでいたので決めてくれると思った。貴海さまさま」と伊藤を誉めた。息の合った2人のプレーで東北は逆転に成功した。その後は最後まで圧倒的な走力と球際の強さを見せた東北が、聖和学園の反撃を抑え、そのまま試合終了。2-1で勝利した東北が3年ぶり14回目の優勝を決めた。
昨年は全国の舞台に立てなかった東北だったが、今年は中盤でボールをつなげる選手を揃え、高い位置でボールを奪ってからのショートカウンター攻撃がよく機能した。2ゴールでヒーローとなった伊藤は「小野先生の厳しいトレーニングを積んできたので、最後まで走りきれると不安は全くありませんでした」と厳しい走り込みの成果が勝利につながったことを喜んだ。「今日も後半ラストで同点に追いついて逆転したので、粘り強く東北魂を忘れずにやりたい」と小野寺は全国大会に向けて強い意気込みを見せた。
一方の聖和学園はプリンスリーグ東北8試合で16ゴールを叩き出し、得点王争い独走状態のFW谷田の不調が響いた。体調不良もあってか普段なら絶対に決めるであろうシュートも枠を外すか、GK鈴木の正面で、無得点に終わった。前半圧倒的に優位な試合展開だっただけに「決めるときに決めなければ・・・・・・」と聖和学園・加見成司監督も再三の決定機を決めきれなかったことを悔やむしかなかった。
(取材・文 小林健志)
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8日、平成27年度全国高校総体「2015 君が創る 近畿総体」サッカー競技(8月、兵庫)の宮城県予選決勝が利府町のひとめぼれスタジアム宮城にて行われた。
決勝進出チームのひとつは3年ぶりの優勝を狙う東北高。プリンスリーグ東北復帰を目指し、宮城県リーグU-18 1部で首位を走る東北は、準々決勝でプリンスリーグ勢の仙台育英高に2-0で完勝。準決勝も仙台三高に1-0で勝利した。もう1チームはプリンスリーグ東北で首位に立ち、今大会の優勝候補である聖和学園高。準々決勝で利府高に1-0、準決勝で宮城県工高に2-0と勝利し、順調に決勝へと駒を進めた。
前半は聖和学園がプリンスリーグ東北首位の強さを見せつけた。4分、ゴールキックを受けたMF高橋勇太(3年)からのパスをMF小野直哉(3年)が受け、ドリブルでゴールに突進。落ち着いてGKとの1対1を決めて先制する。その後も聖和学園が自慢のドリブル突破で東北陣内に押し込み、東北の守備ブロックの間を縫って果敢にゴールを狙う展開となった。東北はカウンター攻撃もなかなか仕掛けられない我慢の展開だったが、CBのDF須田健太(2年)、DF森慎之介(2年)が集中を切らさず、ベガルタ仙台・高橋範夫GKコーチを父に持つMF高橋勇利也(2年)、MF五十嵐健太郎(2年)のボランチ2人も体を投げ出して聖和学園の猛攻を防いだ。前半は1-0で聖和学園リードで終えるが、最少失点で終わったことが後半の東北の反撃につながった。
後半に入り、東北の小野弘信監督は選手交代で徐々に流れを引き寄せた。後半開始から投入したMF山田翔也(3年)が攻撃の核となり、決定機を作り出せるようになっていく。さらにドリブル突破力のあるFW菅野智博(2年)、FW橋本峻輝(2年)を投入し、カウンター攻撃からチャンスを作り出した。そして28分、カウンター攻撃からCKのチャンスを獲得した東北はゲームキャプテンFW小野寺悠貴(3年)のCKからDF伊藤貴海(3年)がヘディングシュート。これが決まって東北は同点に追いつく。聖和学園は体調不良でここまで先発出場を回避し、この日ようやく先発出場したFW谷田光(3年)を中心に何度も決定機を作り出すが、そこに東北GK鈴木悠真(3年)が立ちはだかりファインセーブを連発。1-1で試合は延長戦にもつれこんだ。
そして迎えた延長前半の3分、またしても東北はCKのチャンス。小野寺の正確なキックは頭一つ抜け出た伊藤の頭を正確に捉え、シュートが聖和ゴールに叩き込まれた。共にベガルタ仙台ジュニアユース出身の小野寺と伊藤。伊藤が「長年一緒にやって来たのでヘディングするには最高のボールを送ってくれた」と小野寺を誉めれば、小野寺も「一人だけ高く飛んでいたので決めてくれると思った。貴海さまさま」と伊藤を誉めた。息の合った2人のプレーで東北は逆転に成功した。その後は最後まで圧倒的な走力と球際の強さを見せた東北が、聖和学園の反撃を抑え、そのまま試合終了。2-1で勝利した東北が3年ぶり14回目の優勝を決めた。
昨年は全国の舞台に立てなかった東北だったが、今年は中盤でボールをつなげる選手を揃え、高い位置でボールを奪ってからのショートカウンター攻撃がよく機能した。2ゴールでヒーローとなった伊藤は「小野先生の厳しいトレーニングを積んできたので、最後まで走りきれると不安は全くありませんでした」と厳しい走り込みの成果が勝利につながったことを喜んだ。「今日も後半ラストで同点に追いついて逆転したので、粘り強く東北魂を忘れずにやりたい」と小野寺は全国大会に向けて強い意気込みを見せた。
一方の聖和学園はプリンスリーグ東北8試合で16ゴールを叩き出し、得点王争い独走状態のFW谷田の不調が響いた。体調不良もあってか普段なら絶対に決めるであろうシュートも枠を外すか、GK鈴木の正面で、無得点に終わった。前半圧倒的に優位な試合展開だっただけに「決めるときに決めなければ・・・・・・」と聖和学園・加見成司監督も再三の決定機を決めきれなかったことを悔やむしかなかった。
(取材・文 小林健志)
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