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[総体]星稜苦しめた新鋭・鵬学園、選手権での雪辱へ「絶対に勝ってやるという気持ち」

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[6.8 全国高校総体石川県予選決勝 星稜高 1-0 鵬学園高 金沢市民サッカー場]

 健闘はした。王者を苦しめた。だが、勝つことはできなかった。新鋭・鵬学園高は準決勝でプリンスリーグ北信越勢の遊学館高を1-0で撃破。すると、CB弥村光広主将(3年)、10番FW弥村信幸(3年)の「弥村ツインズ」を攻守の軸とするチームは決勝でも昨年度全国高校選手権優勝校の星稜高に真っ向勝負を挑む。星稜が弥村信、FW吉野隼平(3年)の2トップを警戒して3バックを敷いてきたことで想定していた試合運びをすることはできなかったが、それでも最終ラインで存在感を放った弥村光や高さを発揮したCB佐近伊吹(3年)、安定したキャッチング光るGK西本時誉(3年)の好守でなどで無失点に抑え、攻撃面でもMF小坂祐心(3年)やMF千葉東泰共(2年)を中心にしっかりとボールを動かしながら試合を進めていく。

 1対1のディフェンスで好守を見せた左SB竹内瑛城(3年)や好キックを連発する右SB宮本和佳(3年)ら主軸以外の好プレーも印象的。また局面で戦うこともできる、波乱を起こす力を有したチームだった。だが、後半立ち上がりにつくりだした決定機を活かせなかったチームは後半半ば以降に失速。押し込まれる中で苦しいクリアが続くと、セカンドボールを拾えなくなり、連続攻撃を受ける形となった。そして後半29分に痛恨の失点。まだ選手層が薄く、ここから流れを取り戻すこともできなかった。弥村光は「最後の最後に甘さが出て失点につながったかなと。攻撃も自分たちのやりたかったことができていた部分とできなかった部分がある。できていた時に得点まで結びつけなかったのが、(最後に)1点差になった」と唇を噛んだ。

 脱サラして鵬学園の教員になったという赤地信彦監督の下で成長し、就任から4年目で迎えた全国のチャンス。準優勝に終わったものの、王者を苦しめるサッカーを展開した。それでも赤地監督は冷や汗をかかせられたのではという問いに「冷や汗止まりですね。勝たないといけない。星稜さんは冬はしっかり仕上げてくるので、ここで叩かなければいけなかった」と残念がった。

 あとひとつの階段を上ることの難しさを痛感した。だが、わずか3年で県3部リーグから県1部リーグまで上がり、今年は総体予選準優勝。赤地監督が「成長しましたね。(負けん気が強すぎたけれど)大人になってきました」という千葉東ら選手個々の成長もある。今回の躍進によって選手権への期待はさらに高まりそうだ。選手たちが手ごたえを感じているのも確か。弥村光は「(選手権で)リベンジ、絶対に勝ってやるという気持ちですね」と言い切った。星稜以上の意欲を持ってトレーニングに励み、選手権で全国を驚かす。

[写真]鵬学園はCB弥村光広主将を中心した好守で星稜に食い下がった

(取材・文 吉田太郎)
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