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[総体]水戸商FW岡野主将は強豪対決で奮闘も、指揮官はもう一段階上のプレー要求

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[6.17 全国高校総体茨城県予選準決勝 鹿島学園高 2-2(PK3-5)水戸商高 カシマ]

 走る、身体を張る、突破する。水戸商高の中で印象的な動きを見せていたのがFW岡野将也主将(3年)だ。鹿島学園高との強豪対決では球際での争いで奮闘し、味方にボールを傾ける。特にFWから中盤へ下がった後半は「自分の仕事は中盤で回収してボールを振ってサイドからのクロスとか豊富な攻撃を先生からも要求されている。上手く拾えた部分があった」と振り返ったように、中盤でセカンドボールを回収してショートカウンターの起点となった。局面に現れてボールに絡み続けたFWは「走りすぎましたね。甘かったです」と延長戦で足を攣らせたが、それでも100分間フル出場。0-2から追いつき、PK戦で勝利したチームを支え続けた。

 課題もあった。シュート数は両チーム最多の6本。FWを務めた前半、2列目からゴール前へ飛び出した後半もチャンスに絡んだ。思い切ったミドルシュートがチームを前向きにしていたが、チャンスでシュートをしっかり合わせきれなかったり、枠をわずかに外したり、決めきることができなかった。また中盤の攻防でボールを守り切れずに失点に繋がったシーンもあった。

 それだけに、佐藤誠一郎監督は「もっと頑張ってくれないと。『良いも悪いもオマエが10番つけるようになんなきゃダメなんだ』と言っているんですけど。まだオマエにはつけさせねえって」と主将にもう一段階上のレベルのプレー、そして「(決して上手くはないが)魂が入っている」(佐藤監督)というMF谷田部晶(2年)から10番を奪い取るような成長を期待している。

 2年生中心のチームで、よりしっかりとした柱になることができるか。水戸ホーリーホックジュニアユースから「お父さんがプレーしていた」水戸商へ進学。高校サッカーで精神力が増していると実感しているチームリーダーは全国への想いを口にする。「ここまで来れたのも自分たちの力だけじゃない。決勝勝って今まで支えてくれた人たちに恩返ししたい」。目標の全国大会出場を果たして個人としても成長を。期待のリーダーはまず決勝でチームを勝たせるプレーをする。

(取材・文 吉田太郎)
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