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[総体]狙って取った日本一、東福岡GK脇野は失点、ミス反省もU-18日本代表入りへアピールのV

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[8.9 全国高校総体決勝 東福岡高 1-1(PK6-5)市立船橋高 ノエスタ]

 今大会最注目の守護神、東福岡高のU-17日本代表GK脇野敦至(3年)が2年連続で優勝GKとなった。履正社高との準々決勝では後半に相手FWとの1対1をストップして1-0の勝利へ導き、再三ピンチのあった立正大淞南高との準決勝でもビッグセーブで相手を勢いづかせなかった。

 そして決勝では後半26分に左FKをニアサイドで合わせられたが、好反応でストップ。「ずっと18(U-18日本代表)に呼ばれなくて今は17(U-17日本代表)に呼ばれている。18に呼ばれないのが本当に悔しくて、優勝するという目標があったし、18へのアピールの場としてもここしかないなと思っていた」。3月の候補合宿に呼ばれただけであるU-18日本代表入りへのアピールの大会と捉えていた脇野は、昨年に続いての日本一に「優勝して良かった」と喜んだ。
 
 だが、内容については満足していない。決勝も1-0のまま終わらせなければならなかったと考えている。後半アディショナルタイム、市立船橋のMF工藤友暉にブレ球気味の直接FKを決められた。「そこは本当に反省すべきところだし、改善していくべきところだと思っています。若干ブレていたと思う。でも、そこで対応しなければ、次のステップには行けない」と悔しがった。チームを救った履正社戦でも高く跳ね上がったボールが頭上を越えてしまうミス。「凡ミスもあったのでレベルが低いなと思う。決勝でもFK最後に止められないと選手権では勝てない」。優勝に大きく貢献したことは間違いないが、改めて課題を感じる大会となった。

「春から全然守備の部分でコーチングができていなかったり、新人戦でも国見に最後の最後で入れられてPK負けしたというのがあって。最後の集中力とビルドアップと飛び出しの質とかもレベルを上げてきました」。こだわってトレーニングを行ってきたことで変わってきたことを自身も実感している。またチームメートのWF餅山大輝が「最近は練習からもDFの先頭に立って声出している」と説明していたが、日常から自覚を持ってチームとともに成長しようとする姿勢がある。試合ではチームに厳しく指摘し、励ます声も。「去年はCBの小笠原さんとか、加奈川さんとか自分がミスしても励ましてくれたので切り替えになった。自分は去年から出ていたので引っ張って行かなければいけないと思ったし、今年は去年に比べてミスが多いのでミスしても次、次という励ましの声を意識していました」。課題やメンタル面の部分でも成長したGKは、昨年とはまた意味合いの違う優勝を果たした。

 今後は今月14日からU-17日本代表のチェコ遠征に参加。目標のU-18日本代表入りへのアピールをしてくる。「疲れもあるけどしっかり休んで、チェコでも国際大会なので貪欲に優勝を狙っていきたいし、18にも入りたいので(監督の)内山さんたちにアピールしてきたいと思っています」。総体優勝GKが、今度は代表のユニフォームをまとってチームに勝利をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)
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