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愛知決勝リーグ2連勝の名経大高蔵が全国大会初出場!

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全国大会出場を決めて喜ぶ名経大高蔵高

[5.28 全国高校総体愛知県予選決勝リーグ第2節 名経大高蔵高 1-0 大同大大同高 柳川瀬公園サッカー場]

 平成29年度全国高校総体「はばたけ世界へ 南東北総体2017」サッカー競技(宮城)愛知県予選決勝リーグ第2節が28日に行われ、名経大高蔵高が大同大大同高に1-0で勝ち、2連勝。また、もう1試合で東邦高に勝利した中京大中京高も2連勝とした。この結果、最終節を残して、2連勝した両校の2位以内が確定。名経大高蔵にとっては初となる全国大会出場が決まった。

 前日の東邦高戦を1-0で制した名経大高蔵だったが、この日はMF牛尾颯太(3年)が「気持ち的に負けたら、終わりという相手に飲まれてしまい、高蔵らしさが出せなかった」と振り返ったように、序盤は初戦を落として後がない大同の攻撃に押し込まれる時間が続いた。

 最初のチャンスも大同。前半1分、右サイドから上がったクロスをゴール前のFW菅野亘洋(3年)が体勢を崩しながら合わせたが、枠を捕らえることができなかった。以降はMF河野拓実(3年)、豊田聖真(2年)のダブルボランチを起点にサイドチェンジからのクロスで見せ場を作った大同に対し、高蔵も颯太と牛尾竣太の牛尾ツインズを中心にドリブルとショートパスを織り交ぜた攻撃でチャンスを伺ったが、両者ともに決定機を作ることができないまま前半を終えた。

 高蔵が攻撃のギアを入れたのは、後半に入ってから。開始直後に1トップから2トップへとシステムを変更したことで、引いて守る場面が続いた前半から一変し、守備も、攻撃も前から積極的に仕掛ける意識を高めた。

 5分には、左サイドからゴール前に入ったパスをMF山本蓮(3年)がシュート。相手に阻まれたこぼれ球を牛尾颯が拾って、再びゴール前に入れたが、味方と合わない。だが、攻勢を強めた高蔵は9分、PA左からゴール前に送ったFW平尾匠(3年)のパスを、MF田中亨(2年)がダイレクトでゴール右隅に流し込み、試合を動かした。

 1点を奪ってからは、大同のスペースを上手く利用し、ボール回しでゲームを支配。1点リードを保ったまま、試合を終えた。続いて行われた試合で、中京大中京高が勝利。2連勝を飾った高蔵と中京大中京の2位以内が確定し、全国総体行きのチケットを掴んだ。

 高蔵は全国大会初出場。新人戦で初めて県のタイトルを獲得した昨年は、勢いのまま県総体も決勝リーグまで進出したが、「緊張で力を発揮できなかった」(島井雅也監督)せいで1勝もできず。選手権予選もベスト4まで進んだが、全国には届かなかった。

「昨年を超えられるかなと期待している」(島井監督)今年は、「昨年は夏と冬の2回、ベスト4まで行ったけど、一勝もできず悔しかった。今年は意地でも勝ってやろうという思いが強い」と話すGK新田峻也(3年)ら昨年からの主力を中心にミーティングを重ね、全国へ行くための準備を進めてきた。

 取り組みの成果が如実に表れたのは、守備面だ。元々はテクニカルなサッカーを志向し、「失点が多いことで有名なチーム」(島井監督)だったが、今大会は苦手とするセットプレーをきっちり克服し、5試合無失点。「自分でもビックリしている。勝っていくにつれ、皆の気持ちが強くなっていった」と新田が話したように、堅守をベースとした勝ち上がりによって精神的に逞しさが増した結果が初の全国進出に繋がった。憧れの舞台を掴んだものの、チームに満足した様子は見られない。「勢いのまま、次の試合に挑みたい」と島井監督が口にしたように、次は中京大中京との直接対決を制し、第1代表の座を手にするつもりだ。

(取材・文 森田将義)
●【特設】高校総体2017

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