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1年生MF川本が先制ヘッド!厚い選手層示す星稜が石川7連覇に王手

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前半24分、星稜高MF川本虎太郎が先制ヘッド

[6.3 総体石川県予選準決勝 星稜高 3-0 金沢学院高 石川市民サッカー場]

 平成30年度全国高校総体「2018彩る感動 東海総体」サッカー競技(インターハイ、三重)石川県予選準決勝が3日に行われ、星稜高が1年生MF川本虎太郎の先制ヘッドなど3-0で金沢学院高に快勝。星稜は4日の決勝で金沢桜丘高と対戦する。

 星稜の河崎護監督は「一人ひとりがもっとサッカーを覚えて欲しい」と要求する。2対2の局面で動きが重なったりするなど、状況に応じたプレー、咄嗟に的確な判断ができていないことを名将は指摘していた。また候補となる実力者はいるものの、「勝った時にはいる」というDFの絶対的な存在になる選手の台頭なども必要。大目標の選手権へ向けてまだまだ積み重ねている段階だ。ただし、冬に必ず大きな進化を遂げている名門はこの日、ポテンシャルも十分に感じさせる試合を見せて7連覇に王手を懸けた。

 対戦した金沢学院は1、2年生10人が先発した若いチーム。序盤から星稜に押し込まれる展開となったが、DF上村一太(2年)を中心にクリアすべきところはシンプルにクリアしながら、良い形でボールを奪った際にはMF北村冠輔(1年)の1タッチパスなどで時間を作ってから、10番FW川嶋凌太(2年)らが抜け出しを狙う。

 それでも星稜はキープ力優れた左利きの10番MF有馬大勢(3年)との連係から右SB北方雄己(3年)がクロスまで持ち込んだり、選手権経験者のFW岩岸宗志主将(3年)がDFラインの背後へ抜け出したりするなど金沢学院にプレッシャーをかけ続ける。19分には早くも1人目の選手交代を敢行し、1年生MF川本を投入。すると24分、MF麻生季人(2年)の左CKからタイミング良くゴール前に入った川本が先制ヘッドをゴールネットに突き刺した。

 前半途中から出てきた1年生がいきなり先制弾。この日は1年生の長身ボランチ・MF廣島大雅がフル出場し、川本の堂々としたプレーも光った。河崎監督が「色々なことができると思う。(この日出場しなかった選手を含めて戦力の)数はおる。それはトーナメントの強み」と頷き、岩岸が「徐々に選手層も厚くなってきていると思うし、誰が出ても勝てるようになってきている」と語るように、選手層の厚さを示した星稜は畳み掛ける。27分には川本の思い切りの良い仕掛けで獲得したCKを麻生が再び右足で入れると、今度はCB小平大輔(3年)が完璧ヘッドで追加点を上げた。

 2点ビハインドとなった金沢学院は勇気を持ってボールを繋ぎ、攻め返そうとする。MF気谷大輝(2年)らが仕掛けを見せ、後半19分には交代出場のMF河越虎太朗(3年)がドリブルシュート。だが、判断良くインターセプトするCB湯澤拓士(3年)や昨年のレギュラーで強さを発揮するCB小平を中心とした星稜の厚い壁を破ることができない。

 一方の星稜は右から左サイドに移った有馬のクロスや、右サイドから連係良く攻める川本や北方の突破からチャンス。金沢学院GK表孝史朗(2年)の好守などにあって、なかなか3点目を取ることができなかったが、後半アディショナルタイムにゴールをこじ開けた。右スローインからボールを受けた有馬がDF2人の間をドリブル突破。さらにDFのマークを外した有馬が豪快な左足シュートをゴールに突き刺して3-0で試合を終えた。

 河崎監督が求める「サッカーを知る」ことに対し、岩岸は「全体的にまだ『これをやれ』と言われたら、そのプレーだけになってしまっている。いいプレーを選択できるようにならないといけない」と口にする。決勝を制し、課題と向き合って少しでも改善してインターハイに臨みたい考えだ。

 先輩MF本田圭佑が3度目となるW杯出場を決めたことは選手たちの大きなモチベーションになっている。「やっぱり先輩がワールドカップのピッチに3度連続で立つというのは並大抵の努力ではないと思うので、そこは見習わないといけないなと思いますし、将来少しでも追いついて追い越せるように見て成長したいと思います」と岩岸。まずは必ず決勝を勝利し、先輩の背中から学んだことを夏の全国で表現する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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