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[MOM2531]大津FW水野雄太(3年)_U-18代表初選出の10番、「気持ちこもっていた」先制弾&決勝ゴール

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前半13分、大津高のU-18日本代表FW水野雄太が右足で先制ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.6 総体熊本県予選決勝 大津高 2-1 ルーテル学院高 水前寺競技場]

 注目10番がモヤモヤを吹き飛ばす2発だ。大津高のU-18日本代表FW水野雄太(3年)は今大会、初戦での1ゴールを決めてから3試合無得点。プリンスリーグ九州の中断前最終戦、鳥栖U-18戦では消極的なプレーを叱責されて涙を流すなど納得の行くような活躍ができていなかった。

 だが、「(インターハイ予選では)緊張を隠していたところがあった。(決勝の)試合前に『緊張している』と言ったりして楽になって、仕事ができた」と水野。その10番は前半13分、FW奥原零偉(3年)からのパスを右中間で受けると、「押し込まれていたのでひとつ抜け出してチャンスかなと思った。遠目からでも思い切り打とうと思った」と思い切り右足を振り抜く。

 ミドルレンジから放たれたシュートのコースは甘かった。ボールはほぼGK正面に飛んだが、雨中で非常に鋭い弾道を描いた一撃がGKの腕を弾いてゴールに突き刺さる。「気持ちこもっていましたね。(ゴールが決まり、)吹っ切れてワ~ってこみ上げてきた」という水野は、両手を広げたまま大興奮のスタンドまで走りきり、チームメートたちと喜びを爆発させた。

 この日は縦への仕掛けが警戒される中、強引に右サイドを突破。コーナー方向へボールを運んでクロスを上げ、ゴール前での崩しにも絡んで決定機を演出していた。なかなか追加点を奪えない中、水野もルーテル学院の厳しいチェックでボールロストするシーンも。また、後半32分には右サイドをパス交換で突破したMF福島隼斗主将(3年)のラストパスをフリーで受けたが、シュートをDFにスーパークリアされてしまう。

 それでも4分後、FW大崎舜(3年)の突破から迎えた同じようなシチュエーションで、今度は相手の動きを冷静に見極めて右足シュートをゴールへ流し込んだ。すると、ベンチ方向へ走り、仲間たちの前でマシンガンを乱射するようなゴールパフォーマンス。2ゴールでチームを優勝へ導き、初招集されたU-18日本代表のポルトガル遠征へ弾みをつけた。

「あっち行く前にチームで結果残せて良かった。九州大会出れないけれど、またチームのみんなに任せて自分は成長して帰ってこれるように。(U-18日本代表では)苦手な守備の方を重点的に頑張ってやって、攻撃は自信をもってやっているので、チャンスメークや自分で決めていくこと」と意気込んだ。

 プレミアリーグ選抜として参加した1月のイタリア遠征で突破力と連係面の良さを発揮し、U-19日本代表の秋葉忠宏コーチに猛アピール。代表入りのきっかけとしたFWは“吹っ切れた”状態で参加する今回も欧州で活躍してさらに評価を高め、成長して大津に帰ってくる。

 そして、「全国制覇するために大津高校に来たのでラスト1年でしっかり証明したい」という注目FW水野が自身の活躍で今年度、大津を日本一に導く。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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