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[MOM2535]神戸弘陵MF中濱悠斗(3年)_毎日のロングキックで磨いた左足。勝負どころで炸裂

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左利きの司令塔MF中濱悠斗は左足FKで神戸弘陵高に歓喜をもたらした

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.8 総体兵庫県予選準決勝 神戸弘陵高 3-1 市立西宮高 アスパ五色メイングラウンド]

 集中した守りで食い下がる市立西宮高のゴールを、得意の左足でこじ開けた。神戸弘陵高は0-0の後半13分、中央、ゴールまで約25mの位置でFKを獲得する。キッカーは抜群の左足を持つMF中濱悠斗(3年)。その左足から放たれた低いライナー性のボールは、鋭く伸びてゴール左隅に突き刺さった。

 ゴールを確認して右手を突き上げた中濱は、そのまま応援席まで走りきってチームメートたちと喜びを爆発させる。注目ゲームメーカーの一撃でスコアを動かした神戸弘陵は、その後2点を加えて3-1で勝利した。

 この日、左足のロングパスを左右に散らしていた中濱はゴールシーンについて、「あんな良いコースに飛ぶと思っていなかった。予定外でしたね」と微笑。そして、「もうちょい浮かして巻いた感じで蹴ろうとしていたんですけれども、いい感じで滑ってくれて入ってくれたんで良かったです」と狙いについて明かした。雨の影響でピッチが濡れていたため、GKの守備範囲でも弾く可能性が高い。枠を外さないことに集中して蹴った一撃がファインゴールとなった。

 得意の左足は小学生時代から磨いてきたものだ。「小学校の頃から(遠くへ)飛ばすことを意識していた」。ロングボールを蹴ることによって、自分の中で一番強くボールを蹴れるポイントを探すという作業を続けてきた。現在も欠かさずにロングボールを蹴る毎日。この日のFK弾は努力の賜物だった。

 それでも、本人は「まだまだ精度が低い。きょうも(サイドチェンジなど)全然ズレていた部分が多かった。全国クラスではあれでは全然通用しない」と厳しい。より、精度を磨いて全国トップクラス相手でもチームを勝たせる武器にする。

 将来へ向けて自分のアピールよりもまずはチームを勝たせることを考えている。「あんな応援団が一生懸命応援してくれていたので、応援団のためにも絶対に全国に連れていってあげなければいけない。(きょうは)その気持ちが強かったです。(自分は)チームを勝たせられるようにして、チームは目標が日本一なのでそこをブラさないでやっていく」。左利きのボランチは自分のやるべきを徹底し、チームとして結果を出すことによって自分の存在価値も高めるつもりだ。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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