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注目エースFW松森堅誠がループ弾決めるも…湘南工科大附は87年以来の全国届かず:神奈川

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前半25分、湘南工科大附高はFW松森堅誠が鮮やかなループシュートを決めて1点差としたが……

[6.19 インターハイ神奈川県予選準決勝 湘南工科大附高 1-2 相洋高]

 準々決勝で選手権出場校の桐蔭学園高を3-2で下し、全国大会出場に王手をかけた湘南工科大附高だったが、1-2で惜敗。相模工大附高時代の87年以来となるインターハイ出場は来年以降へ持ち越しとなった。

 室井雅志監督は同じく準決勝へ進出した10年や16年、17年大会よりも「自分たちでやることをやれれば」という思いが強かったという。今年は、FW松森堅誠主将(3年)という絶対的なエースを筆頭に技術力の高い選手が揃い、多彩な攻撃を表現できるチームに。だが、全国から遠ざかっている古豪は大一番で試合開始1分にFKから失点すると、7分にもCKから追加点を奪われてしまう。

 対戦した相洋高は全国出場こそないものの、前回日本一の桐光学園高を破って準決勝へ勝ち上がってきたチーム。引き締めて臨んでいたが、警戒していたセットプレーを簡単に与えてしまい、2点を追う展開になってしまった。

 25分に「見えているものが他の選手と違うし、左右両足使える」(室井監督)という松森が鮮やかなループ弾を決めて1点差。勢いを増した湘南工科大附は、MF村岡遊(2年)とMF三觜真生(2年)の技巧派ボランチコンビや、技術力含めて違いを生み出していた松森が絡んでの攻撃でゴール前のシーンを作り出した。
 
 後半立ち上がりには松森を起点とした攻撃から右のMF浅尾健太郎(3年)が折り返し、FW大西達也(3年)が決定的なシュートを放つ。その後もボールを支配して攻め続けたが、徐々に焦りの色が濃くなっていた湘南工科大附は、普段ならば一つ繋ぐところを攻め急いでロスト。また、強引に仕掛けてボールを失うなど攻撃が噛み合わない。

 それでも松森が自ら獲得したFKから右足シュートを打ち込み、CKからDF三浦翔遼人(2年)の放ったヘディングシュートなどで同点を目指す。交代出場の選手たちも技術力を示していたものの、チャンスで相洋高DFにシュートブロックされたこともあり、最後まで2点目を奪うことができなかった。

 立ち上がりの不用意な失点など、湘南工科大附はこの日の敗戦を糧に。その上で判断しながらボールを動かし、アイディアを交えて崩すスタイルを磨き上げて行く。「結果と面白さを両立させないといけない」と室井監督。こだわって成長を続け、大一番で自分たちのサッカーを表現して、勝つチームになって選手権を迎える。

(取材・文 吉田太郎)
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