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[MOM3910]和歌山北MF田中涼心(3年)_居てほしいところに居る「他の選手の2倍走れる選手」

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勢いをもたらす同点ゴールを奪った和歌山北高MF田中涼心(3年)

[6.12 インターハイ和歌山県予選決勝 和歌山北高 2-1(延長) 近大和歌山高 上富田スポーツセンター球技場]

 延長戦までもつれ込んだ緊張感あるゲームを制し、6大会ぶりのインターハイ出場を勝ち取った和歌山北高。試合後、中村大吾監督は、逆転勝利を収められたことについて「失点後すぐに点を取り返せたことが大きかった」と振り返った。

 その得点を決めたのは、MF田中涼心(3年)。こぼれ球を逃すことなく、バイタルエリアに詰めていていた。ボランチの田中は、この得点シーンだけでなく、試合中どの時間帯にでもチームとして居てほしいところに居ることができる選手だ。

 田中自身も「体力には自信がある」と話していたが、中村監督もまた「他の選手の2倍走れる選手」だと評価している。守備ではカバーリングや他の選手と連携して相手を挟み込み、ボールを奪う。奪えば即座に攻撃に切り替え、ゴールに向かう。アタッキングサードでのスローインのチャンスがあれば、自分が立っている逆のサイドでも何度も走って行って、ロングスロー。中村監督の言う「2倍走れる」は、全くもって大げさな表現ではない。

 今大会の準決勝や決勝では自らミドルシュートを撃つシーンは見られなかったが、「密集しているシーンも多かったので裏へのパスの方が効果的かな、と思って」(田中)、より得点に結びつきそうなプレーを選択。的確な判断力も光った。

 自分が基盤として持っている運動量を生かして、「守備と攻撃、どちらにも多く関わりたい」とプレーしている田中。今大会では、その思いはピッチ上で十分に表現されていた。次は全国の舞台が待っている。「チームみんな仲が良く、勢いもどんどん上がっていく感じなので、インターハイでもその勢いを盛り上げていくことができるような貢献がしたい」と意気込みを示した。

(取材・文 前田カオリ)
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