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「ライバル」帝京五を退けた今治東!! 同点弾献上も気合入れ直し、20大会ぶりの全国へ

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20大会ぶり4回目のインターハイ出場を決めた今治東中等教育学校

[6.11 インターハイ愛媛県予選決勝 今治東中等教育学校 2-1 帝京第五高校 会場非公表]

 令和4年度全国高校総体(インターハイ)「躍動の青い力 四国総体 2022」男子サッカー競技の愛媛県予選決勝が11日に行われ、帝京五高との接戦を2-1で制した今治東中等教育学校が優勝し、インターハイ出場を勝ち取った。

 あいにく雨天の中ではあったが、両チームともボールを奪えばスピーディーにボールを繋いで前へ展開。拮抗した状況を打開したのは、今治東だった。前半24分、GK飯島悠翔(2年)が弾いたボールをFW樋口智大(2年)がPA内で回収すると、自らシュートを打つことなく、右サイドから上がってきていたFW大荒陽平(2年)へパスを冷静に選択。それを大荒がきっちりと右足を振り抜いてゴールネットに突き刺し、先制した。

 しかし帝京五も前半33分、MF山口雄人(2年)のクロスにFW一瀬健斗(3年)が頭を合わせてネットを揺らし、ゲームを振り出しに戻す。後半にその勢いを持って臨める良い時間帯にゴールを奪って、1-1で折り返した。

 だが、後半に勢いを増したのは、失点してハーフタイムを迎えた今治東だった。キャプテンのMF越智小次郎(3年)が「失点したことで改めて気合を入れ直せた。プリンスリーグでは開幕3連敗からスタートし、厳しい状況は経験がある。後半からはもっとパスを繋ぎ、焦れずに前へ向かおうとみんなの意識を統一して後半に入れた」と試合後に振り返った通り、集中力はさらに高く、走力も落ちない。要所要所でサイドチェンジやビルドアップもうまく使い分けながらパスを繋ぎ、帝京五のゴールに迫る。

 最後尾の飯島がしっかり守っていた帝京五のゴールを奪うことができたのは、後半34分。MF佐伯柊二(3年)が蹴った正確な右CKをファーサイドにいたDF竹内海人(3年)がヘディングで叩き込んだ。これが決勝弾となり、2-1で勝利した今治東が20大会ぶり4回目のインターハイ出場を決めた。2006年に県立中等教育学校となってからは、初めての出場となる。

 試合後、「今年の帝京第五を失点なく抑えるのは難しいと思っていたが、帝京第五のボールをあれだけ弾き返せるようになったことから選手たちの成長を感じた」と語った今治東の谷謙吾監督。帝京五は、前線に持ち込めばMF梅澤玄季(3年)のロングスローも使いゴール前でのチャンスを多く作っていて、アディショナルタイムにもそうした場面もあったが、今治東の選手たちは1点のリードを最後まで守り切った。谷監督は、「帝京第五は、植田洋平監督がいろいろと考え、指導していることは知っている。これからもライバル」だとリスペクトを語った上で、冬に向けて「帝京第五はこれを機にさらに強くなるだろうし、簡単に勝てる相手ではない。緊張感を持って経験を積み重ねていきたい」と気を引き締めた。

 今治東は冬に向けて、夏の全国大会で経験を積むことができる。しかし一方で、夏を終えれば、一旦サッカーを離れて勉強にシフトするサッカー部員もいる。インターハイには、「その仲間たちとより長い時間を共に過ごすためにも、勝つことだけに集中して臨みたい」(越智)。

(取材・文 前田カオリ)
●【特設】高校総体2022

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