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神村学園の強力左WB吉永夢希が宿敵の対策超えて最後にアシスト。アジア、インハイで名を轟かす

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後半35+4分、神村学園高のU-17日本代表左WB吉永夢希(3年=ソレッソ熊本出身)が2点目のゴールをアシスト

[5.27 インターハイ鹿児島県予選決勝 鹿児島城西高 0-2 神村学園高 OSAKO YUYA stadium]

「やっぱりマンマークつかれていて新人戦2回負けてしまって、ずっと自分のせいだと思っていたので、最後にアシストできて本当に結果でチームに返せたのは成長している部分だと思います」

 注目DFは責任を果たして鹿児島ファイナルを終えた。神村学園高のU-17日本代表左WB吉永夢希(3年=ソレッソ熊本出身)は、後半35+4分にダメ押しゴールをアシスト。左サイドからU-17日本代表MF名和田我空(2年)を追い越す形でボールを受けると、ニアのMF金城蓮央(2年)へラストパスを通した。

 この日は鹿児島城西高の右SH松永知寛(3年)とマッチアップ。相手は強力な突破口である吉永を消しに来ていた。一定の距離を保ってパスコースを切ってきたこともあり、普段に比べると目立つ回数は少なかったかもしれない。それでも、吉永は力の掛けどころを探り続けていたという。

「ずっと(コーチの)栢野(裕一)先生に言われていて、全部行くんじゃなくて、『1本に賭けろ』と言われていたので、最後、(名和田)我空が持った時に『絶対に行ける』って自分の中で確信したので、そこで走ったら我空からタイミング良くボールが来たので、蓮央に合わせるだけでした」。前半にスプリントからシュートを打ち込んだ他、後半にも縦突破や左足のプレースキックでもチャンスを演出。そして、試合終了間際に勝負を決定づけるアシストでライバル校の対策を超えた。

 鹿児島城西には県新人戦決勝と九州新人戦決勝で連敗。マンマークを受けてゴールを演出できなかった吉永は、自分の責任を感じていたという。また、今大会も「全然結果が残せていない」と自己分析。「全試合自分が仕事しないとダメな選手になってきていると思う」と口にするDFは、常に相手の警戒を超えなければならないと考えている。

 同じU-17日本代表の名和田が連日のスーパーゴール。刺激を受けて自身の活躍に繋げた。「我空がやったならば自分もやらないと、と思って最後上げました」。前日の鹿児島実高戦、そして決勝と2試合連続で見事なアシストを記録。結果を残して大会を終えたことについて、「自分がしっかり仕事して勝てるような選手になっていきたいと思っています。県大会はマークもされますけれども、人のせいじゃなくて自分にベクトルを向ければというのがあったので良かったと思います」と頷いていた。

 守備面の課題があるものの、U-17日本代表でも圧倒的な突破力、スプリント力を発揮するなど活躍を続ける吉永は来月、同代表の一員としてU17アジアカップに出場することが濃厚だ。「誰にも止められないような選手になっていきたいと思いうので、世界で次アジアカップ戦うので、自分の名前が(多くの人に)届くようなプレーがしたいなと思っています」と意気込んでいる。

 まだ、神村学園でスタメン争いの最中だった昨年6月にU-16日本代表候補初招集。当時と現在とでは、「全然違います。代表とか経験で自分の自信がついている」という。絶対の自信を持って戦うDFは、アジア、全国の対戦相手の“吉永対策”も超えていくだけ。進路にも注目のレフティーは積極的に自分の特長を表現し、誰にも止められないような活躍を見せる。

(取材・文 吉田太郎)
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