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相生学院CB日高吏都が神戸MFの兄ら先輩たちのリベンジを果たし、全国へあと1勝。「優勝して恩返しだと思う」

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相生学院高のDFリーダー、CB日高吏都(3年=ガンバ大阪堺ジュニアユース出身)は後輩たちの後押しを受けて奮闘した

[6.9 インターハイ兵庫県予選準決勝 相生学院高 1-1(PK5-3)滝川二高 アスパ五色メイン]

 兄、先輩たちのリベンジを果たした。CB日高吏都(3年=ガンバ大阪堺ジュニアユース出身)は、相生学院高のDFリーダー。この日、声でチームを鼓舞し続けたCBは、「空気感は一番大事だと思っているので、声はずっと掛けています。僕が相手を上回って空気感でも圧倒できたと思っています」と胸を張った。

 その3年生DFはカバーリングや対人守備でも奮闘。兄は期限付き移籍していたCDアトレチコ・パソ(スペイン4部)から神戸へ復帰したばかりのMF日高光揮だ。OBでもある兄が見守る中、「お兄ちゃんもスペインから帰ってきて成長した姿を見せられたと思っています」というパフォーマンス、声でチームの勝利に貢献した。

 日高は1年時の選手権予選決勝・滝川二高戦でベンチ入り。兄ら2学年上の先輩たちは後半終了間際の失点によって0-1で敗れ、悔し涙をのんでいる。その宿敵から勝利し、インターハイ予選では初の決勝進出。「僕は(兄ら)1期生の時から出ていたので、取り返せたかなと思っています」と胸を張った。

 現在相生学院の3年生部員は転入生を含めて4人。日高が入学時、同学年の選手が1人もいなかったという。「こんな最高の環境は日本ではないと思っている。プロになるために入学してきて1人で入ってきたとか全国にないと思うけれど入学してきて良かった」。当時、1年生1人の自分のサポートをしてくれた先輩たちに感謝している。

 兄とは小中高と同じ進路。その存在はやはり、大きいようだ。「学ぶことは多かったです。小中高全部同じチームだった。小学1年生からずっと怒られてばかりで。(相生学院で)スタメンで出たときもボロくそに言われていたけれど、それは自分のため。お兄ちゃんはサッカー面は素晴らしいと思っている。メンタルも強いし、サッカーに対しては本気だと思う。それに負けないようにいつも頑張っています」。兄の背中を追って努力を重ねてきた弟。チームの中心選手へ成長し、兄が叶えられなかった全国大会出場まであと1勝とした。

「日曜日の試合(決勝、対神戸弘陵高)が一番大事だと思う。優勝して(先輩やスタッフ、家族への)恩返しだと思う」と日高。上船監督が「1年生1人で入ってきて、今、欠かせない存在。(2年生MF高本幹大が主将を務めているが、)キャプテンにすれば良かったなと思うくらいの選手になった。最初の方は苦労をしていたけれど、別人になった。スタッフみんな言っていますし、兄貴にも『別人になっているぞ』と言っていた。きょうはマジでやってくれました」と評するDFは、決勝も相生学院を声とプレーで支えて勝つ。

(取材・文 吉田太郎)
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