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「初戦で世間の目を変えられるようにしたい」。堺ユースフェスでも強さ示した神戸弘陵、打倒・青森山田へ意欲

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神戸弘陵高CB岡未來主将は打倒・青森山田高を誓った

 インターハイ初白星を優勝候補から奪う。神戸弘陵高(兵庫)は29日のインターハイ初戦でプレミアリーグEAST首位の青森山田高(青森)と激突。CB岡未來主将(3年)は、「世間的には山田となっていると思うんですけれども、弘陵が覆せたら自分たちの名やチームの名が広まって、そこからは絶対に波に乗れると思うので、初戦で世間の目を変えられるようにしたい」と意気込んだ。

 青森山田は今季、リーグ戦などで強さを見せつけているが、神戸弘陵も戦力が充実している。高さや左足に注目の岡や抜群の得点力を備えたエースFW馬場悠平(3年)、10番MF北藤朔(3年)、司令塔のMF大井孝輔(3年)ら選手層が厚く、攻守に力がある。

 21日から23日に参加した「第12回 堺ユースサッカーフェスティバル」ではインターハイ出場校相手に3連勝。22日には青森山田と同じプレミアリーグ勢の米子北高(鳥取)に2-1で勝利した。

「前半は自分たちのやりたいようにつなぐところはつないで、相手が同数できた時はしっかりと背後を取れて、揺さぶれてというのがあった」と岡。北藤の左足シュートと馬場のロング弾で堅守・米子北を破った。

 自信をつける1勝。だが、谷純一監督は後半の苦しい時間帯でDFラインが下がってしまい、全体が間延びしていたことを指摘する。青森山田は試合終盤でもパワーで押し込んでセットプレーを獲得し、ゴールをこじ開ける強さを持つ。それだけに、岡は「シンドくても、後ろの選手はラインのアップとダウンのところは細かくやっていきたい」と誓っていた。

 青森山田との初戦が決まり、チームは良い意味で引き締まったという。岡は「(優勝候補と)初戦からできるというのは良いことかなと思っている。決まった時から意識的に守備のところが強くなったと思う。守備の意識を練習から上げられているのは良い」。球際の攻防やクリアの仕方、“ゴールを隠す”ことへの意識も内容も向上した。

 青森山田は例年、3月に兵庫県で開催されるガバナーカップに出場。今年は神戸弘陵の選手の数人が神戸市選抜U-18として青森山田と対戦し、接戦を演じている。そのこともあって、青森山田の選手たちも「結構強いと聞いている」と神戸弘陵を警戒するほど。神戸弘陵は過去3度のインターハイで未勝利に終わっているが、強敵から歴史的1勝を上げて勝ち上がる意気込みだ。

 岡は「インターハイ自体が弘陵4回目、全部初戦で負けている、まず初戦を取ること。今年のチームは初戦を取ったら上も見えてくると思う。優勝を目指すんですけれども、まずは初戦を勝ったら絶対に波に乗れると話している。負けてしまったら注目もされないと思う。山田は良い相手。勝って弾みをつけらえれるようにやっていきたい」と力を込めた。

 守備の要でもある岡は「守備の部分は自分中心に声をかけていて、ゼロ点に抑えたら今年のチームは絶対に点を取れると思う。山田相手やとしてもチャンスは絶対にあるので、自分たちはゼロで抑えて、前の選手が決めてくれる。あわよくば、自分もセットプレーから1点取りたい」。簡単に勝てる相手ではないことは分かっている。それでも、自分たちの技術力、判断力など特長を発揮しながら、粘り強さも持って戦い抜き、青森山田を上回るだけ。そして、「初戦で世間の目を変える」。
(取材・文 吉田太郎)
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