beacon

桐光学園を声とプレーで牽引。GK渡辺勇樹主将は「格好良かった」先輩のようなリーダーへ

このエントリーをはてなブックマークに追加

桐光学園高を引っ張るGK渡辺勇樹主将(3年=東急SレイエスFC U-15出身)

[7.31 インハイ3回戦 帝京大可児高 1-3 桐光学園高 東光スポーツ公園球技場A]

 先輩のようなリーダーになることが目標だ。桐光学園高(神奈川1)GK渡辺勇樹主将(3年=東急SレイエスFC U-15出身)は伝統校を引っ張り、チームをベスト8へ導いた。

 GKとして悔しい2試合連続失点。初戦はPK、この日はセットプレーから1失点した。だが、勇気のある飛び出しでゴールを守るなど2点目を許さない。最後方からの声でチームを引き締め、3-1で試合を終えた。渡辺が主将として意識しているのが、声だ。

「キャプテンとしては誰より声を出してチームの雰囲気を上げる選手っていうのは言われているので、それはどのチームよりもできる自信がありますし、自分がしっかり声を出すことによってGKから最終ライン、中盤、FWに繋がっていく。自分が先頭に立ってキャプテンとして大きな声を出して鼓舞するというのは、どの試合も意識しています」

 今年の桐光学園にはU-17日本高校選抜のMF松田悠世(3年)をはじめ、MF齋藤俊輔(3年)、MF小西碧波(3年)ら下級生から公式戦を経験した有力選手がいる。だが、鈴木勝大監督は「渡辺は視野が広くて、大人としっかり会話できるし、全員にダメだと言える」と渡辺を主将に指名した。

 渡辺は自分が指名されると「思っていなかったですね」と振り返る。「自分が冬に怪我して3か月できない中でチームに貢献するというところを勝さん(鈴木監督)が見てくれていたのかなと思っています。言うところは言わないとチームが締まらないので、嫌われるとか関係なしに、チームのためにしっかり自分を犠牲にして声を出してやっています」。強いチームになるために厳しい言葉で引き締め、後押ししながら日本一を目指している。

 渡辺には憧れのリーダーがいる。「2年前の山市(秀翔、現早稲田大)君とか見ていて格好良かったので、ああやって自分から背中で見せるじゃないですか。(声でも、背中でも引っ張る)どっちもできるタイプで、自分も付いて行きたいなと思うキャプテンだったので、そういう下級生も巻き込めるようなキャプテンになりたい」。山市は主将としてチームを選手権8強。日本高校選抜でもリーダー格の一人を担ったプレーヤーだ。

 今大会、厳しい戦いの中で先輩のようなリーダーシップを発揮すること。準々決勝で対戦する尚志高(福島)には小学生時代のトレセン活動で一緒になり、その後も友人だというMF神田拓人(3年)がいる。昨年からブレイクし、一気にU-19日本代表まで駆け上がった神田と、「中学生以来に対戦したいですね」という希望が実現。主将は桐光学園を声とプレーで引っ張り、待望の対戦となった準々決勝も勝つ。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2023

TOP