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[MOM4386]桐光学園FW宮下拓弥(3年)_目標とする先輩超えの3発

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前半13分、桐光学園高FW宮下拓弥(3年=JFC FUTURO出身)が先制ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.31 インハイ3回戦 帝京大可児高 1-3 桐光学園高 東光スポーツ公園球技場A]

 目標とするFW超えの3発だ。桐光学園高(神奈川1)は、FW宮下拓弥(3年=JFC FUTURO出身)がハットトリックの活躍。まずは前半13分、MF羽田野紘矢(3年)のスルーパスで右中間を抜け出す。「目が合って、『自分はここに欲しい』という動きをしていたので、あとは(羽田野)紘矢が良いボールを出してくれた。運んで普通に決めるだけでした」と右足で先制点を叩き出した。

 この日の3得点で一番嬉しかったという1点目。「自分たちに流れを持っていきたかったし、それが自分で良かった」と振り返る。さらに26分には、CB川村優介(3年)のロングパスで右中間を突くと、中へ持ち込んでから左足でゴールを破った。

「自分が(DFと)五分五分のところを競り勝てて、あとは左足もちょっと自信があるのでDFがスライディングしてきたところを股を狙って。(加えてボールが)GKの股を行ったのは良かった」。DFとGKの股間を射抜く一撃で2-0。得点王を目指す宮下は止まらない。後半5分にもMF松田悠世(3年)の右CKが流れてきたところをゴールエリアでプッシュ。「正直、ゴール前にいたら当たったという感じなんですけれども、FWはそういうのも大事なのでいて良かった」と頷いた。

 初戦ではチームに貢献するプレーも、無得点。「昨日、コーチからは『評価は悪くない』と言われたんですけれども、FWは結果を出さないと意味がない。得点王を目指していますし、取りたかった」。その悔しさをぶつける3得点だった。

 宮下が「目指している」という選手は先輩FW小川航基(現NECナイメヘン)だ。その小川は、高校3年時にインターハイ出場を果たし、初戦(対久御山高)で2得点。だが、チームはその試合をPK戦で落とし、1試合2得点で敗退している。宮下は今回のインターハイで小川超えの3発と8強。ここからさらに量産していく意気込みだ。

 鈴木勝大監督は、小川も背負った「9」の後継者に期待を寄せる。「初戦で取れないことに悔しさを持っていたので、きっかけかなと思っていましたけれども、こういう形で次のチャレンジをするのに良い形で点を取って、彼も次の戦いに自信を持ってチャレンジできるようにしてもらえると思います」とコメント。本人も「9」に相応しい活躍をし、小川と同じプロのステージに立つことを目指している。

 宮下は大会前に関東大学1部リーグの強豪大学へ練習参加。「もっと上手くなりたい」「プロになりたい」と強く思うようになったという。Jリーグ内定選手と同じグループで“鳥かご”をして技術力の差を痛感。他の選手たちも基礎レベルが高く、FWのドリブルや決定力に違いを感じた。「自分と大学生との大きな差を知った」。この経験が意識の変わるきっかけに。強豪大学から認められるために、今大会での結果にもこだわっている。

 地元・旭川実高(北海道1)や準々決勝で対戦する尚志高(福島)の試合に来場した観客の多さを見て、「見て欲しい」という思いを強めている。「明日勝って、『見たい』と思わせるチームになりたい」。そのためにも、自分が決めて勝利へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2023

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