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[MOM4740]東山FW山下ハル(3年)_ 会場を揺るがせた“忍者ゴール”。京都決勝の後半ATに決勝点!

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後半35+1分、東山高FW山下ハルが相手GKからボールを奪い、決勝ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.9 インターハイ京都府予選決勝 東山高 1-0 大谷高 サンガスタジアム by KYOCERA]

 0-0の後半35+1分、「狙っていました」というビッグプレーをしてのけた。東山高は、左CKの流れからFW山下ハル(3年=Vervento京都出身)がヘディングシュート。これが相手GKにキャッチされると、赤いユニフォームの選手たちが自陣方向へ戻っていく。

 その中で山下は一瞬、左ポストの陰に隠れ、GKの動きを見ながらゆっくりと右ポスト方向へ。そして、GKがボールを地面に置いた瞬間、背後から猛然と距離を詰めてボールを奪い取った。

 そして、奪い返そうとするGKの手が届くよりも速く、右足でゴールへ蹴り込んだ。気配を消しながらGKの背後に身を潜め、地面にボールが置かれた瞬間に駆け寄ってボールを奪い、得点する“忍者ゴール”。インターハイ出場をかけた京都府予選決勝、0-0の後半アディショナルタイムに“忍者ゴール”を決めて見せた。

 山下は「小学校の時とかに、Jリーグとかでああいうプレーとか結構見てて憧れていました。相手が結構ビルドアップとかしてくる中で、準決勝とかの相手のビデオを見ていて、GKが置く場面が多かったんで、そこを狙ってワンチャンスをモノにして良かったです。練習試合でも結構やるんですけど、すぐ(相手に)言われて(バレて)使えない。でも、こういう(スタジアムの観衆がいる)ところやったら絶対いけると思ったんで」。この日も強かに狙い続ける中、訪れたチャンス。緊迫した展開が山下に味方した。

 大谷スタンドの悲鳴のような声と、東山スタンドの歓声を浴びた山下は「(ゴールの瞬間は)もう、記憶ないっす」。そして、「みんな、正直、延長になると思ったと思うんですけど、僕はもうこの70分で絶対終わらすっていう気持ちで最後までやったんで。あの雰囲気の中でワンチャンス絶対いけるなってずっと考えてたんで、そういうモノができて良かったです」と喜んだ。

 東山の左SB辻綸太郎主将(3年)は、「ハルの“ズルさ”っていうのが、このピッチで現れて、ほんとに感謝しかないです」と語り、福重良一監督も「ほんと、体も動かなくなっていて、前からのプレスが中途半端だったんで、(交代しようか)と思ったんですけど、やっぱ彼を最後まで出したのが良かったですね」と微笑む。近畿高校選手権決勝で3発。プリンスリーグ関西2部でもハットトリックを達成。今大会は“黒子役”に回っていたストライカーが、優勝へ導いた。

 この日、山下は前半から鋭い動きを見せ、後半立ち上がりには枠を捉えるミドルシュート。また、終盤には右サイドからのドリブル突破で決定機を演出していた。ただし、自分のプレーには満足していない。

「やっぱりボール奪ってから僕がタメ作ってチーム全体を前進させるっていう仕事と、僕1人で突破できるところは突破しないとダメだったんですけど、今日も全体的に収めれなかったですし、やっぱタメが作れないっていうところはチーム的にもしんどいんで、正直、個人的には課題だらけの試合になりました」と首を振る。

 その中でも気持ちを切らさずに声を出し、走り続けた。「1試合通して上手くいかない時間の方が多かった中で、焦れずに守備も僕も前線からやり続けて、点決めてやるっていうよりも、とりあえずチームのために走り続けるっていうことをやってて、ああいう結果に繋がったと思います」。“忍者ゴール”での得点後も緩めることなく、チームを鼓舞し続けた。

「決めてからピンチもずっと続いていて、ゴール前でフリーキックとかコーナーキックも、もう死ぬ気で声出して、もうチーム鼓舞して、絶対やらせんとこうと思って。チーム全員でもう体張って守り切った結果、優勝できたと思います」。勝つために全力で戦い抜いたFWは全国大会でもチームのために得点すること、ハードワークすることを誓う。

「個人としては、FWとして得点取るっていうことは大事なんですけど、やっぱり第一にチームのために前からハードワークして走り続けるっていうところと、前で時間作るっていうことを徹底して、今日出た課題もこれから克服して日本一に繋げていきたいです」。献身性、したたかさをインターハイでも発揮して日本一を勝ち取る。


(取材・文 吉田太郎)


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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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