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[CL]決勝アシストの香川、「こうやって勝ち切るのが典型的なビッグクラブ」

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 UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)は19日、各地でグループリーグ第1節2日目を行い、日本代表MF香川真司の所属するマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)はホームでガラタサライ(トルコ)と対戦し、1-0で競り勝った。腰痛から先発復帰した香川は前半7分にMFマイケル・キャリックの先制点をアシスト。「とりあえず勝ちたかったからよかった」と、チームの白星発進を喜んだ。

「ホームで良い入りができた。2、3点取れたと思うけど、1点取って試合を運びやすかった」。前半7分、ボランチの位置からFWファン・ペルシーとのワンツーで中央を駆け上がったキャリックからパスを受けると、ワントラップでタメをつくってリターンパス。PA内に抜け出したキャリックが先制のゴールネットを揺らした。

「前の意識が強くて、スピードのある攻撃ができた。その時間はよかった」。そう振り返る香川はアシストの場面について「うまく取ってからいいスピードで行けた。ああいう形は大事」と胸を張った。試合を重ねるごとに徐々にパスを呼び込むシーンも増えてきているが、「もっともっと欲しいタイミングはあるし、手応えはまだそこまでない。もっとつかめると思う。毎試合毎試合結果にこだわりたい」と貪欲に話す。

 11日のW杯アジア最終予選・イラク戦(1-0)は前日の練習中に痛めた腰の影響で急きょ欠場。15日のプレミアリーグ・ウィガン戦(4-0)もベンチ入りはしたが、最後まで出番なし。この日が6日のUAE戦(1-0)以来、2週間ぶりの公式戦復帰だった。

「腰は単発だった。その場でやっちゃっただけ」。あくまで軽傷だったことを強調する香川は「(イングランドに)戻ってきてから2、3日練習をしていなかったからきつかったけど、その中で練習でコンディションを上げていった。今日は比較的いい状態で臨めた。そういう意味で今は痛いところはないし、もっと上げていく必要がある」と、さらにコンディションを上げていくつもりだ。

 結局、前半7分の先制点が決勝点となり、スコアは1-0。「ボランチ、サイドハーフとの距離感が空いてきて、前半の半ばからいいパス回しができなかった。どうしていくかは考えなきゃいけないし、僕自身、キープして落ち着かせる必要もある」。そう課題を挙げ、「決め切らないといけないシュートまでいけていたのに決められず悔しい」と反省の言葉も口を出た。

 とはいえ、苦しみながらも大事なホーム開幕戦で勝ち点3を獲得した結果には納得している。「こういう試合を勝ち切れるのは大事。CLで上に行くチームはグループリーグの段階ではまだ完成度が高くないチームもある」と指摘。「ここでこうやって勝ち切っているのは典型的なビッグクラブかなと。点を入れられそうで入れられないというか。経験なのか、慌てるところもない。そういうところはドルトムントと違うのかなと」。ドルトムント(ドイツ)に所属していた昨季はグループリーグ最下位で敗退した欧州の舞台。今度は5シーズンぶりのCL制覇を狙う“赤い悪魔”の一員として、香川がまずは第一歩を踏み出した。

(取材 了戒美子)

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