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延長PKの激闘制す、バイエルンがレアルを下して9度目の決勝進出

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 UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)は25日、準決勝第2戦の2日目を行った。レアル・マドリー(スペイン)がホームにバイエルン(ドイツ)を迎えた一戦は、FWクリスティアーノ・ロナウドのPKを含む2得点でレアルが2-0とリードを奪うも、バイエルンがMFロッベンのPKで1点を返す。2戦合計3-3で迎えた延長戦でも決着はつかずに試合はPK戦へもつれ込んだ。両チーム守護神の好セーブが光ったPK戦だったが、バイエルンがPK3-1で勝利。この結果、2戦合計3-3(PK3-1)でバイエルンが2年ぶり9度目の決勝進出を決めた。なお、バイエルンのMF宇佐美貴史はベンチ外だった。決勝戦は5月19日にドイツ・ミュンヘンで行われ、バイエルンはチェルシーと対戦する。

 互いに第1戦からシステムは変更せず。21日にバルセロナとの"クラシコ"を戦ったばかりのレアルは先発を一人変更。左SBにはコエントロンではなく、DFマルセロが入った。対するバイエルンは第1戦と変わらぬ先発メンバー。21日のリーグ戦・ブレーメン戦では、MFロッベンやDFアラバ、DFラームら主力が欠場。欧州CLへ向けてコンディションを整えてきた。

 試合は序盤から激しく動く。ファーストシュートを放ったのはレアルだった。前半3分、MFシャビのロングボールに右サイドを抜け出したMFディ・マリアがマイナスのクロス。MFケディラのシュートはGKノイアーが止めた。すると前半5分、早くもレアルが先制点を奪う。マルセロが右サイドへ大きく展開。PA右のディ・マリアが左足ダイレクトで放ったシュートがアラバの手に当たる。これがハンドの判定となり、レアルがPKを獲得した。キッカーを務めるのはFWクリスティアーノ・ロナウド。ノイアーの逆を突き、冷静にシュートを沈めた。1-0と先制した。

 直後の前半7分にはバイエルンが決定機を演出。PK献上のアラバが"汚名返上"とばかりに左サイドを突破する。DFを振り切っての左クロスにファーサイドのロッベンが左足ダイレクトで合わせるが、シュートはクロスバー上方へ。絶好のチャンスだったが決めることはできなかった。同12分にはリベリのパスに抜け出したFWゴメスがPA右からシュート。GKカシージャスが弾いたボールにMFリベリが詰めるも、ポスト左へ逸れた。得点にはつながらない。

 すると一瞬の隙を見逃さず。レアルが追加点を奪った。前半14分、DFラモスのパスを受けたMFエジルがワンタッチでPA内へ絶妙なパスを送る。抜け出たロナウドがゴール正面から冷静に右足シュート。ワントラップから流し込んだシュートは、ゴールへ吸い込まれた。ロナウドの今大会10得点目が決まり、レアルが2-0と差を広げた。

 追いつきたいバイエルンだったがPA内でプレーすることができず。ゴメスやグスタボが積極的にミドルシュートを狙っていくが決めることはできない。いずれも枠を外れた。それでも前半27分、リベリとロッベンのパス交換で中央から崩しにかかると、ゴメスが右サイドのクロースへパス。クロースの右クロスに飛び込んだゴメスがペペに倒され、PKを獲得した。2節前に行われたリーグ戦のドルトムント戦でPKを失敗していたロッベンがキッカーを務める。ゴール左へ蹴り込んだ低い弾道のシュートは、カシージャスの指先をかすめながらもゴールネットを揺らした。バイエルンが1点を返し、2-1。2戦合計でのスコアが3-3と全くのタイとなった。

 前半終了間際のワンプレーではバイエルンが決定機を迎える。ゴメスからのパスを受けたロッベンが、PA手前ぎりぎりの位置でペペに倒されてFKを獲得。ロッベンが直接狙ったボールは枠を捉えたが、カシージャスの好セーブに阻まれた。レアルがリードの2-1。2戦合計では3-3で前半を折り返した。

 後半に入っても一進一退の攻防が続く。バイエルンは右サイドを駆け上がったラームの右クロスにゴメスが頭で合わせるが枠外。スルーパスでチャンスをつくり、ロッベンがPA内へ飛び出すがカシージャスに阻まれる。対するレアルは後半24分、25分と立て続けにFKを獲得。PA手前左の距離がある位置から、いずれもロナウドが直接狙ったがノイアーがストップした。

 こう着状態で迎えた後半30分、レアルが先に交代のカードを切った。ディ・マリアに代わって、MFカカを投入。カカはトップ下に入り、エジルが2列目右サイドへポジションを移した。同33分には後方からのロングボールにFWベンゼマが抜け出す。DFバトシュトゥバーを突き放し、切れ込んでいくもシュートは決められない。

 対するバイエルンは後半41分に決定機を迎える。アラバのパスに抜け出たロッベンが左足ダイレクトで中央へ折り返す。走り込んだゴメスがシュートを打とうとするも、ケディラとラモスに阻まれてボールを失った。2戦合計3-3、アウェーゴールは互いに1得点という状況のまま90分間は終了。試合は15分ハーフの延長戦へもつれ込んだ。

 延長前半6分、バイエルンは最初の交代枠を使い、リベリに代えてFWミュラーを投入。ミュラーが2列目右へ入ると、ロッベンが2列目左サイドへ回った。トップ下はそのままクロースが務めた。しかし延長前半、スコアは動かない。迎えた延長後半開始と同時にレアルは、ベンゼマに代わってFWイグアインを投入。同6分には最後の交代枠を使い、エジルに代わって、MFグラネロをピッチへ送った。互いに疲労がピークとなり、ミスが続くと決定的なシーンは生まれない。試合はPK戦へもつれ込んだ。

 先攻のバイエルンはアラバ、ゴメスと2人が冷静に決める。後攻のレアルはロナウド、カカと立て続けにノイアーに止められた。しかし、ここからバイエルンはクロースとラームが立て続けに失敗。守護神・カシージャスがストップした。だが、レアルの3人目・シャビは決めたものの、4人目・ラモスのシュートはクロスバー上へ大きく外れた。バイエルンの最終キッカーであるMFシュバインシュタイガーが冷静に決めた瞬間、PK3-1でバイエルンが勝利。バイエルンが、本拠地フスバル・アレナ・ミュンヘンで開催される決勝進出を決めた。2010年以来、2年ぶり9度目の決勝となるが累積警告により、アラバ、グスタボ、バトシュトゥバーを欠くことになる。総力戦で戦い抜き、11年ぶり5度目の戴冠をめざす。

【準決勝】
[第2戦]
(4月25日)
R・マドリー 2-1(PK1-3) バイエルン
[R]クリスティアーノ・ロナウド2(6分、14分)
[バ]アリエン・ロッベン(27分)
※2戦合計3-3(PK3-1)でバイエルンが決勝進出


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