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福岡大が“人間力を上げる”スペイン研修を実施

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 第61回全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)で準優勝した福岡大が、新シーズンに向け1月12日から21日までの日程でスペイン研修を実施した。この4年の主要大会で3度のファイナリストとなり、関東、関西の強豪大学を凌ぐ「地方大学の雄」として圧倒的存在感を誇る福岡大が研修先として選んだクラブは、バレンシア市内に拠点を置くウラカン・バレンシアCF(スペイン3部)。インカレで主力として活躍したMF平田拳一朗(3年=高川学園高)、MF弓崎恭平(2年=東海大五高)、FW山崎凌吾(2年=玉野光南高)、MF稲葉修土(1年=立正大淞南高)の4名がフベニール(ユース)Aとトップチームの練習に参加した。

「パスサッカー」の印象が強いスペインサッカーだが、その真髄は球際の激しさ、高いプレー強度にある。そのため、選手からは「どのチームも綺麗というか、つなぐサッカーにこだわると思っていたが、実際には勝ちにこだわるサッカーをしている」(平田)という驚きのコメントも出ていたが、福岡大4戦士は練習参加初日から積極的な姿勢でスペイン人選手たちとコミュニケーションを取り、素早い適応を見せていた。

 4選手を指導したフベニールAのエメルソン・エステベ監督も、「各選手が初日から積極的な姿勢で持ち味を発揮してくれた」と高評価。「J2以上のレベルがある」とも評されるスペイン3部で現在3位に位置するトップチームでの練習参加はスケジュールの関係で1回のみに留まったが、選手たちからは「意外にやれた」という手応えをつかむ発言が出ていた。今回で5度目になる福岡大のスペイン研修は確実にその精度を上げており、乾真寛監督も「世界基準のサッカーに触れること、海外で自分のプレーを表現する経験を通じて参加した選手が確実に人間力を上げている」と語る。

 先日、ベルギー1部のスタンダール・リエージュへの移籍が発表されたFW永井謙佑を筆頭に、今年プロ入りするDF牟田雄祐(名古屋)、FW清武功暉、DF岸田翔平(ともに鳥栖)ら近年同大からプロ入りする選手全員がこのスペイン研修を経験しており、昨年参加したDF大武峻(2年=筑陽学園高)と今年で2回目となる参加のFW山崎は全日本選抜のメンバーにも名を連ねる。今や福岡大の育成力を支える大切な要素としてスペイン研修は欠かせないものとなっており、各選手が今回の経験をチームに持ち帰った上で来季のタイトル獲得を目指す。

[写真]スペイン研修を行った福岡大左から稲葉、平田、山崎、弓崎。(写真提供(株)ラムゼス)

(取材・文 小澤一郎)

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