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より“目立つ”SBへ、磐田内定の明治大小川主将「アシストしてナンボと言われるくらいに」

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[4.6 関東大学リーグ1部第1節 明治大0-1東洋大 味フィ西]

 今月2日に来季のジュビロ磐田入団内定が発表された明治大DF小川大貴主将(4年=磐田ユース)が、東洋大との関東大学リーグ1部開幕戦で右SBとして先発フル出場した。速さ、突破力など抜群の攻撃力を持つ小川は、前半13分にタイミングのいいオーバーラップから中央へラストパスを通して決定機を演出。1点を追う後半は再三高い位置でボールを受け、ドリブルで中央へ切れ込む動きも見せたが、チームは決定力を欠いて1部初挑戦の東洋大に0-1で敗れる結果となった。

 チームは経験値の少ない選手が多い中、後半は相手を押し込んでゴール前までボールを運んでいた。「何度もいい形はあったので次に繋がるというところはあった」と語った小川だが「相手がゴール前でブロックを組んで来た時にアイディアが足りなかったかなと思う。連係だったり、イマジネーションだったり、コンビネーションというのが、まだまだだったかなと思います」と反省。個人としても小川の前方を2人、3人がカバーする相手を切り崩すことができず、「攻撃は何度もいい位置で受けることはできていたんですけど、その後の決定的なパスだったりが少なかった」と首を振っていた。2年連続2位からの優勝を目指す今季、好スタートを切ることはできなかったが、開幕戦の敗戦を糧にここから勝ち点を重ねていく。

 小川自身はリーグ戦開幕前に進路を確定。強豪・磐田入り内定選手としてプレッシャーの中で1年間を戦うこととなった。ただ「ボクは案外気にしていないです。そう見られることは仕方ないですし、見られた方がいい。今まで(注目されて)見られてこなかったし、なかなか目立てていないので」と本人は意に介さない。それよりもやるべきことがある。

 下級生から主力としてプレーし、リーグベストイレブンや全日本大学選抜にも選出されているが、それでも小川はレベルの違うプレーを求めている。「選抜とかも選ばれていて、去年もリーグ戦のベストイレブンとか取れてはいるんですけど、それが自分の中で満足できる結果ではなかったですし、自分の目指しているのは、点が取れてアシストもできるSB。やっぱり目立つといった部分だったり、存在感を出すといった部分で人と違うことをすると言ったら、点を取るということがあるのかなと思う。去年も2ゴール7アシストしかできていない。このままジュビロに行っても試合に出られない。だからもっともっと」と高い意識を見せた。「今のままだと、ただ『ジュビロに入るから』、というだけで見られてしまう。そうじゃなくて、いいプレーをしているからと言われるようにならないと、ボクとしては見られていても、別に何のプレッシャーでもない。アシストしてナンボだと言われるくらいになりたいなと思っている」

 中高と下部組織でプレーした磐田へ戻ってプレーすることを決意した小川。明治大でともにプレーし、磐田入りした先輩のMF山田大記とMF小林裕紀を見て「全然、こんなに違うんだと思って、やらなきゃいけないなと思った」と努力してきた。その結果、目標をひとつかなえたが、一息つくことはない。「進路が決まったから安心するんじゃなくて、ジュビロに行くのは来年の話なので、明治でということだけを考えてタイトルを取りにいきたい」。プロが1年目から起用したいと思われる選手に。それだけのプレーと結果を追求する1年間にする。

(取材・文 吉田太郎)
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