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[早スポ]エース榎本がゴール!筑波大撃破でリーグ戦2連勝

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[早稲田スポーツ ゲキサカ版]
JR東日本カップ2013 第87回関東大学リーグ戦 4月20日 東京・夢の島競技場

早稲田大1-0筑波大

 試合を決めたのはまさに一発だった。強豪・筑波大と対戦した早大は素早い前線からのプレッシャーで相手の攻撃の芽を潰そうとしたが、技術力で上回る筑波大にボールを回される時間が目立った。前半をスコアレスで折り返すと、迎えた65分。ゴール前の混戦から、相手のクリアボールがFW榎本大希(4年=横浜FMユース)の前にこぼれる。榎本は瞬時に振り抜きゴール左隅に突き刺し、2試合連続ゴール。この日の早大はパス能力に長ける筑波大相手に積極的に前線からプレッシャーをかけ続けた。運動量は雨の降り続く終盤も落ちることなく、今季初の無失点で締め、1-0で勝利した。

 迎え撃つ筑波大は今季ここまで2試合で勝ち点1と是が非にも今節勝利が欲しいところだった。しかしまず初めにチャンスを作ったのは早大。9分、DF三竿雄斗副将(4年=東京Vユース)が左サイドから入れたグランダーのクロスは逆サイドのMF近藤貴司(3年=三菱養和SCユース)まで流れるも、「立ち上がりだったし思いっきり打って入ればいいかなと思っていたが、ああいう場面で枠を捉えていかなくてはいけない」(近藤貴)とシュートは大きく外れた。直後の10分には、榎本との連携で抜け出した三竿が左足で強烈なシュートを放つもポストに弾かれた。一方、筑波大も次第に早大の素早いプレッシャーをかい潜り早大ゴールに迫るも、GK松澤香輝(3年=流通経済大柏高)を中心としたDF陣が中央でブロックを形成し、筑波大になかなかペナルティーエリア内への侵入を許さないなど奮闘した。

 後半になっても早大の運動量は落ちない。MF近藤洋史(3年=名古屋U18)は「チームのために守備の面で少しでも貢献しようと思っていた」と両サイドの“近藤コンビ”(近藤洋と近藤貴)が守備で躍動。献身的にプレッシャーをかけ続け、筑波大の攻撃を高い位置で潰し続けた。早大はFW片山瑛一(4年=川越高)をターゲットにボールを集めチャンスを作るも、それを上手く活かしきれずにいた。65分、CKから流れたボールをMF池西希(4年=浦和ユース)がファーサイドに放り込み近藤貴が折り返したボールは相手DFがクリアするも、ボールはペナルティーエリア内の榎本の前に。榎本は素早く反応し、「目の前にボールがこぼれてきたのであまり考えずに、思いっきり打ってやろうと」(榎本)ハーフボレーで打ち込んだシュートはチームに勝利をもたらす劇的な先制弾。後半終了間際には、攻め急ぐ筑波大の攻撃に対し次々と早大イレブンが前線へプレスに走り込む。「最後でチームがきつくなった時でも自分が積極的にファーストプレッシャーとなれるように」とボランチで出場したMF小松聖音(4年=札幌光星高)が前線まで顔を出すシーンも見られた。「DFだけではなく、チーム全体として高い守備意識を持ったからこそ無失点に抑えられた」(松澤)とチーム全員の粘り強い守備と勝利への執念が勝ち点3をもたらした。

――違いを作る男。榎本は昨季からチームの主力としてスタメン出場し、リーグ戦でチーム最多タイの9得点を挙げた。頼れるエースへと成長しつつある榎本は今季早くも2得点を決めているが、ゴールシーン以外でも奮起し、真のエースとなることが求められる。選手が口を揃える「17年ぶりの関東リーグ制覇」に向けて「1試合平均で勝ち点2を取らなければ優勝は出来ない」(小松)というのは古賀聡監督(平4卒=早稲田実高)が選手たちに伝えた言葉だが、開幕3試合で勝ち点6と現状そのノルマは達成している。宿敵・筑波大を撃破し、昨年のインカレ王者が望む悲願達成に視界は良好だ。

[写真]相手と競りながらボールをキープする榎本

(取材・文 早稲田スポーツ 佐藤裕樹、写真 松下優、佐藤匠)

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