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守備で粘りを見せた桃山学院大、今季初勝利:関西1部

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[4.27 関西学生リーグ1部第4節 桃山学院大1-0大阪学院大 J-GREEN堺]

 27日、J-GREEN堺(大阪府)で第91回関西学生サッカーリーグ1部第4節の桃山学院大対大阪学院大戦が行われた。開幕から3戦未勝利だった桃山大だが、前半3分に先制点をあげると、そのまま1-0で逃げ切って完封勝利。1勝2分1敗で7位に浮上した。一方、敗れた大院大は1勝1分2敗となり、8位に順位を落とした。

 試合終了の笛が鳴り響くと、初勝利を挙げた桃山大の選手たちが歓喜の声をあげた。開幕から4戦目にしての初白星。一昨年から2年連続でリーグ最少失点を誇り、インカレにも出場してきた桃山大。ただ、今年は主力選手が抜け、先発メンバーが大きく入れ替わった。「今年のチームを支えるのは、主将の中田寛人(4年=山梨学院高)など、昨年は出ていなかったがコツコツと下積みしてきた選手」と楚輪博監督。新たなチーム作りを進めてきたが、なかなか結果に結びつかなかった。その中で臨んだこの日の試合。「今日は絶対ゼロで、と決めていた」と全日本大学選抜GK圍謙太朗(4年=大津高)が振り返ったように勝利を呼び込んだのは粘り強い守備だった。

 前半3分、MF水頭廉(4年=広島ユース)が自らドリブルで持ち込み、先制点をあげる。幸先良いスタートを切った桃山大は、サイドからボールを奪いに行くなど積極的な守備から攻撃に繋げようとする。先制された大院大は「立ち上がりが悪かった」と主将のMF柿木亮介(4年=成立学園高)が悔やんだように、序盤は苦しい展開に。FW脇裕基(3年=大阪学院高)が左サイドから切れ込んで放ったシュートや、MF山千代大斗(2年=G大阪ユース)のシュートもGKに阻まれるなど、決定機をものに出来なかった。

 桃山大のリードで迎えた後半、追加点を狙いたい桃山大だが、大院大に中盤でボールを回される。攻撃の糸口が掴めず、後半放ったシュートはわずかに1本。一方、大院大もFW神田圭介(4年=鹿島ユース)ら攻撃陣がゴールに迫るも、フィニッシュの精度を欠いた。試合はGK圍を中心に守備陣が踏ん張りを見せた桃山大が、1点を守りきって勝利した。

 敗れた大院大はボールを回すも決定機が少なかった。柿木主将は「ボール回しているだけじゃ相手は怖くないし、縦パスを入れてもっとゴールの意識を持った方が良いんじゃないかとみんなと話している。決めるところで決めなかったり、ゴールの意識が低かったのが敗因かな」と無得点に終わった試合を振り返った。そして「今日は相手じゃなく、自分たちのプレーが出来なかったのが残念だった」と肩を落とした。

桃山大は勝ち点3という大きな収穫はあったが、攻撃面で課題の残る試合となった。楚輪監督は「選手たちは自信を失いかけていたので、0点で終わったのはすごく大きい」と話しながらも「きょう、ウチは3本しかシュートを打ってない。90分のうち、前半2本、後半1本。これで1-0で勝ったと言っても、あとの90分間何していたのか。攻撃のバリエーションがなさすぎる」と厳しい表情を浮かべた。しかし、結果にこだわった中での完封勝利は大きな一歩だ。多くの課題も見えた大院大戦の反省を踏まえつつ、この勝利を機に上位浮上のきっかけを掴みたい。

(取材・文 北野裕子)
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