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“やられても前に”中央大が慶應義塾大を6発圧倒:関東1部

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[10.5 関東大学リーグ1部第15節 中央大6-1慶應義塾大 古河]

 5日、JR東日本カップ2013 第87回関東大学サッカーリーグ戦1部第15節第1日の2試合が行われ、中央大対慶應義塾大戦は6-1で中大が大勝した。

 中大が今季最多の6得点で慶大を圧倒した。前半13分、MF田辺圭佑(4年=成立学園高)のFKからFW砂川優太郎(3年=広島ユース)が先制点を挙げると、20分には相手のクリアミスからFW澤田崇(4年=大津高)のラストパスをサンフレッチェ広島内定の全日本大学選抜FW皆川佑介(4年=前橋育英高)が右足で沈めて2-0。中大はリードを広げてもさらに前へ出る。白須真介監督が「前節(対順天堂大、1-2)は先制して下がってしまったので、自分らも前から行こうと言っていた。(ここ数試合は)ボールを保持しても下げてしまっていた。チャレンジするという気持ちで前に行くというのは相手にとっても脅威になる」と説明したように、“やられても前に出る”という姿勢が慶大を飲み込んだ。

 前線で激しい当たりを受けながらもボールを収める皆川を起点に、前を向いた砂川や澤田が個人技で仕掛けると、田辺の好キックも武器にチャンスをつくり出す。27分、左中間で皆川が倒されて得たFKを田辺が左足で直接沈めて3点目。慶大の1年生DF望月大知(静岡学園高)が前半35分に2枚目の警告を受けて退場したことで試合はワンサイドの展開になっていく。44分にも田辺の左CKを「先発から外れても下を向かずにやっていた」(白須監督)というCB木村圭佑(3年=大宮ユース)が豪快に頭で叩き込んで4点差で前半を終えた。

 一方、序盤こそ右SB溝渕雄志(1年=流通経済大柏高)と左SB増田湧介(3年=清水東高)のオーバーラップを交えた攻撃を見せていた慶大だが、前半はシュートゼロであまりにも大きな4点ビハインド。後半開始からエースFW武藤嘉紀(3年=F東京U-18)とMF岩田修平(4年=名古屋U18)を同時投入し、ダイナミックな動きでDFを襲う武藤や岩田、声でチームを鼓舞するMF松下純土主将(4年=國學院久我山高)を軸にゴールヘ迫るが1点が遠い。逆に交代選手も積極的な仕掛けを見せる中大がリードを広げる。

 後半36分、中大はMF鳥波将斗(2年=鹿島ユース)のスルーパスで左サイドを突いたFW内田祐介(1年=神戸U-18)の折り返しに砂川が飛び込んで5-0。慶大は38分、FW端山豪(2年=東京Vユース)が右サイドから放ったクロスボールがPA内で相手DFのハンドを誘い、これで獲得したPKを武藤が決めて1点を返す。中大は43分に内田が2枚目の警告を受けて退場しながらも、後半アディショナルタイムに左クロスの折り返しをMF細見諒主将(4年=C大阪U-18)が豪快に右足でゴールヘ突き刺してゴールラッシュを締めくくった。

 2得点の砂川は「先週の試合で同じように早い時間に1点取れたんですけど、引いてしまったので、試合の入りから前からプレッシャーをかけるという意思疎通ができていた。きょうはそこが良かった」。長期離脱から帰ってきた長身ストライカーの皆川に加え、砂川、澤田と大学トップレベル選手が並ぶアタッカー陣、そして高速SB高瀬優孝(4年=埼玉栄高、大宮アルディージャ内定)ら攻撃力はリーグ屈指。現在5位の中大は残り7試合で首位・専修大との勝ち点差13と逆転Vは厳しい状況だが、“やられても前に出る”姿勢でひとつでも順位を上げて冬の全日本大学選手権優勝へつなげる。

(取材・文 吉田太郎)
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