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J争奪戦の専修大司令塔・下田、“出られないくらいの状況”も手応え掴む試合に

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[10.12 関東大学リーグ1部第16節 専修大4-0流通経済大 RKUフットボールフィールド]
 
「本当は試合にも出られないくらいの状況。(見ていて)元気もないですけど。頭の中はクリアにやってくれた」と専修大・源平貴久監督は目を細めていたが、J注目のMF下田北斗(4年=大清水高)が体調不良の中でも中盤で存在感を発揮して4-0での勝利に貢献した。

「痩せました。盲腸で。一週間くらい御飯が食べられなかった。自分の身体的にはスタミナは落ちていたんですけど、痛くはなかったので試合に出た。勝ててよかったです」と下田。けが人続出でチームが苦しい状況の中、まだコンディションは万全に程遠いものの、志願の出場でピッチに立った下田は「ミスが多かった」と納得していなかったが、先制点の起点になったほか、最後まで思考と運動量を落とさず、積極的にボールに絡み、シュートを放ち続けてチームを引っ張った。
 
 チームのために出場した試合は、理想への手応えを掴む試合になった。「一昨年が一番強かったイメージがあって、そこを目指してチームづくりをしているんですけど、今年はけが人もいてメンバーを固定できずになかなかいいサッカーができていない。でも、きょうはその時に近づいたかなと思いました。相手のやる気というか、やり返そうという気迫を感じなかったので、余裕を持って自分たちのサッカーをすることができた」。一昨年は関東2部から昇格1年目で関東1部リーグを制し、全日本大学選手権初出場初優勝を果たした。今年は「内容はそこまでよくない。だいぶ危機感を感じている」というシーズンだが、相手の戦意を消す、相手を圧倒するようなサッカーができ始めていることを感じる試合となった。

 自身としてもよりチームを勝たせる存在になり、リーダーシップを高めることを考えている。「目指すものは(リーグ)3連覇以外ない。結果だけでなく、内容も残していきたい。練習から100パーセントで取り組んでいきたい」と首位独走する中、最後まで全力で闘いぬくことを誓う。大清水高(現藤沢清流高、神奈川)から無名で専大に入学した下田は大学で評価を大きく上げて関東、全国タイトルを獲得し、ユニバーシアードで銅メダルも獲得した。最後まで100パーセントで取り組み、最高の結果を残して卒業すること。そしてJリーグ3クラブが争奪戦を繰り広げる中、「まだ決心がついていない。もう少し考えたいと思います。自分が納得したら決めたいと思います」という進路も納得するまで考えて結論を出す。

(取材・文 吉田太郎)
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