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[関西1部]快進撃続ける5位・大阪産業大が3発快勝で4位肉薄

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[10.12 関西学生リーグ1部後期第4節 大阪産業大3-1びわこ成蹊スポーツ大 太陽が丘]

 12日、第91回関西学生サッカーリーグ1部後期第4節の大阪産業大対びわこ成蹊スポーツ大戦が、山城総合運動公園太陽が丘陸上競技場 (京都府)で行われた。5位の大産大が3-1で4位のびわこ大を下し、勝ち点差を2に縮めた。

 会心の勝利だった。大産大にとって4位・びわこ大との対戦は、勝てば勝ち点差は2に、負ければ8に拡がるといった負けられない一戦。前期は0-5の完敗だったが、今日はそのイメージを払拭し、大きな勝ち点3を手にした。

 勝利に繋がったのは「勝負の決め手だった」と全信俊コーチが振り返った先制点だった。前半19分、MF江口直生(4年=大阪桐蔭高)のロングパスにFW中山仁斗(4年=大阪産業大附高)が抜け出し、PA内へ侵入。びわこ大のDFがたまらずファウルを犯し、PKを獲得する。これを中山が自らきっちりと沈め、先制。序盤に先制弾をあげると共に数的有利を作った大産大が優位に試合を進める。全コーチが「うちはやっぱり自分たちで主導権を握っていくと言うよりも守備から入って、というチーム」と話すように、余裕が生まれた状況下でも気を抜かず冷静にびわこ大の攻撃に対応。びわこ大の脅威であるDF松田陸(4年=立正大淞南高)、FW松田力(4年=立正大淞南高)の松田ツインズに仕事をさせなかった。39分には、江口の左CKをフリーでゴール前に飛び込んだDF西田太洋(4年=FCライオスユース)が頭で押し込み2点目。2-0で前半を終える。

 後半12分には、大産大が再び追加点。中盤で江口がボールをキープすると、左サイドに走り込んだMF梁真士(2年=大阪朝鮮高)に絶妙のパスを通す。パスを受けた梁がふわりと放ったシュートは飛び出したGKの頭上をかすめ、無人のゴールへ。試合を決定づける3点目でびわこ大を突き放した。3点を追う展開となったびわこ大は松田ツインズを中心に攻め上がり、セットプレーなどチャンスを作るが得点には結びつかず。後半20分、PA内でDFを背負いながら松田力が出したパスを、フリーで受けた松田陸が突き刺し1点を返すも反撃はそこまで。序盤の退場が響き、大産大の勢いを止められなかった。びわこ大・山田庸コーチは「数的不利の難しい中で、まず複数失点をせずに粘りたかった」と試合を振り返り、「2点目を警戒していたセットプレーからすごく良いボールで良い形で決められてしまった。1-0で抑えていればまた流れも変わっていたと思うんですけど」と2失点目を悔やんだ。

 貴重な勝利をあげた大産大・全コーチは「チームとして成長出来ている。勢いもありますし、やるべきこと、今何を求めているかを各々が考えられるようになってきた」とチームを評価。ただ、「この順位にまだうちは慣れていないし、経験が少ない。もっと1戦1戦やっていかないと」と気を引き締めた。2008年に1部昇格を決めたが、それ以降は4年連続で10位。毎年2部チームとの入替戦を戦ってきたが、今年は現在5位と快進撃を続けている。好調の要因として全コーチがあげるのは「チーム力。ぶれずにやってるとこじゃないかな。仲が良いし、常に修正し合う。良いチームを作れている。喧嘩も結構しているが、すぐ仲直りするし、間違いなく良い関係を作れている」と話すように良好なチーム状況。4年生のDF満生充(4年=大阪桐蔭高、前・水戸ホーリーホック)、江口が中心となりチームを引っ張っている。満生も「なぜかわからないけど、本当に喧嘩する」と苦笑を浮かべながらも「喧嘩の理由はチームの為を思ってとか、個人の意見での衝突なんで。結果的に喧嘩した事でチーム力は上がっている。だからチーム力には自信がある」と力強く話した。今日の勝利でインカレに更に近付いた大産大。チーム一丸となり、インカレ出場を狙う。

(取材・文 北野裕子)
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