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[ケイスポ]泥沼から脱却し後期初勝利 日体大戦

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[10.13 関東1部・後期リーグ第16節 慶應義塾大3-2日本体育大 足利]

前節終了時の順位で暫定ながら最下位に転落し、何としても勝ち点を挙げたい試合となった。相手は、慶大と同様に後期まだ勝利のない10位日体大。試合は、武藤嘉紀(3年=FC東京U-18)がPKを決め慶大が先制。無失点のまま前半を終えると後半に端山豪(2年=東京Vユース)が2得点し3点のリードを奪う。終了間際に立て続けに失点を喫したが、慶大が待望の後期初勝利。ピッチの選手だけでなく、スタンドで見守る慶大応援団も歓喜の渦に包まれた。
 
 試合開始から両チームともなかなかペースをつかめない。22分、「守りから入ってボールを奪ったら速攻」(須田監督)という戦術が実を結ぶ。宮地元貴(1年=東京Vユース)が前線にロングボールを送るとこぼれ球に反応した岩田修平(4年=名古屋U18)がエリア内で倒されPKを獲得。これを武藤が決め、慶大が先制する。福本晋也(4年=暁星高)の活躍もありワンチャンスを生かした慶大が1点リードで前半を終える。
 
 追加点を奪いたい慶大は後半開始から攻勢に出る6分、ディフェンスのクリアに反応した長尾賢太郎(3年=神戸U-18)がボールを奪取。パスを受けた武藤のスルーパスに反応した端山が裏に抜け出す。そして、落ち着いてゴールに流し込み追加点。「自分が攻撃に厚みをもたらせられれば」(端山)という端山の機をみたオーバーラップが決まりリードを広げる。さらに21分、端山がコーナーキックを直接決めてリードが3点に。日体大はCBをFWに上げパワープレーを仕掛ける。すると徐々にペースは日体大に傾く。そして37分アーリークロスを菊池がヘディングで落とし最後は稲垣がミドル。さらにロスタイム1分にもロングボールのこぼれ球を菊池に押し込まれて失点。しかしここで試合終了のホイッスル。「自分たちのサッカーを徹底できた」(松下純土、4年=國學院久我山高)慶大が待ちに待った後期初勝利を挙げた。

 この試合に勝因はやはり戦術の統一、勝ちたいという気持ち、この二つに尽きるだろう。チームとしては決していい出来ではなかったと思うが、攻守にわたり前線を走りまくった長尾に代表される「がむしゃらなプレー」(武藤)がこの結果を生んだに違いない。この勝利で慶大は最下位を脱出。新しい目標である残留圏まで勝ち点3となった。次節の相手は王者専修大である。格上の相手ではあるが今節のような勝ち点を奪うサッカーを見せてくれるだろう。慶大の逆襲に期待だ。


以下、慶應義塾大の試合後のコメント


●須田芳正監督
―今日の試合の総括は。
「これで負けたらもう数字的にも今年のリーグは厳しいということで今日の試合はとにかく勝とうという気持ちでプレーしようと言って選手を送り出しました。選手たちは本当によくやったと思います。今日はまずしっかり守りから入ってボールを奪ったら速攻を徹底しようということが戦術でした。それを選手たちがしっかりとやってハマったことがこの結果に繋がったのかなと思います」

―センターバックの起用について。
「先週も望月が退場になったあとこの形でやったですし、保田もケガということでセンターバックが彼らしかいないということで二人とも実力のある選手なのでなにも心配なく送り出しました」

―1点差に詰め寄られたときにどのような指示をしたか。
「守れ。とにかく守れ。得失点差はもう関係ないので相手より1点多くとればいいということでもちろん無失点で終われたらよかったですが、とにかく勝てばいいので彼らは本当によくやったと思います」

―次節に向けて。
「今日勝利したんですけど降格圏で苦しい戦いには変わらないので勝ち点を1点1点積み重ねていきたいです。今日は久しぶりに勝ったので嬉しいと思いますが、明日から次の試合に向けてしっかり準備していきたいと思います」


松下純土主将(4年=國學院久我山高)
―今日の試合を振り返って。
「今日は自分たちのサッカーを徹底できたことと勝利するという気持ちが90分間切れなかったことが最大の勝因だと思います」

―後期初勝利の率直な感想は。
「ようやく長いトンネルを抜けることができてほっとしているというのは事実ですけど、まだやっとここで残留という目標に向けた挑戦権を得られたというかまだ厳しいという状況は変わらないので、勝ったことは嬉しいですが、この結果に一喜一憂せず次の専修戦に向けてやっていこうということはみんなに話しましたし自分自身も切り替えていけたらいいと思います」

―自身のプレーを振り返って。
「守備の時間が長かったんですが、オレと端山で相手の縦パスを消すことであったり、セカンドを拾うことであったりとまぁある程度やるべきことはできたんではないかと思います。ですが最後、向こうが結構押し上げてきていて、僕らがバックラインに入ってしまってそこのこぼれ球を拾えなかったことで2失点してしまったので、そこはしっかり修正いかなくてはならないと思います」

―前節からの1週間で何が変わったか。
「1つ明確になったのは日本一という目標から残留という目標に変わって、4日間オフをもらって極端に言うとサッカーのことを考えずに過ごして、ある意味リフレッシュができて目標がまた明確になったことでいい感じで今日の試合に臨めたのでこれを継続していけたらと思います」

―次節に向けて。
「厳しい状況には変わりないですけど、この勢いを持ってこの1週間しっかり準備して次の試合に臨みたいです」

端山豪(2年=東京Vユース)
―今日の試合を振り返って。
「本当に後がなかったので負けられない試合だということがみんなの共通認識としてあって望んで、内容だったりいろいろあると思うんですけどとにかく勝ち点3が欲しかったので、そこに関しては良かったと思います」

―勝利のホイッスルを聞いた瞬間の気持ちは。
「ほっとしたという表現が合ってるかなと思うんですけど、試合が終わってから20分くらいたったらもう次の試合のことが頭に浮かんできて、勝てたことは良かったですけど、これを次の試合に生かしていきたいです」

―次節に向けて。
「またここからゼロからスタートして勝ち点3を取りにいきたいです」

(取材・文 慶應スポーツ 太田悠貴)

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