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[練習試合]指揮官「発見の選手もいた」新生・全日本大学選抜、呉屋先制弾も流通経済大に逆転負け

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[12.5 練習試合 全日本大学選抜1-2流通経済大 赤羽スポーツの森公園]

 15年7月に開催される第28回ユニバーシアード競技大会(韓国/光州)金メダルを狙う新生・全日本大学選抜が5日、都内で総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント優勝の流通経済大と練習試合(45分×2本)を行い、1-2で敗れた。

 全日本大学選抜の指揮を執る神川明彦監督(明治大)は初戦を「まだまだですね。(戦う姿勢に)温度差がある」と振り返った。試合前から選手たちに戦う姿勢を強く要求していた指揮官にとっては、「おっという発見の選手もいた」と個々のアピールを感じた一方でやや首を傾げるような展開。先制点を奪った直後に追いつかれ、後半ラストプレーで試合をひっくり返された。

 2年後のユニバーシアードへ向けて1、2年生のみの招集となった今回の強化合宿。招集されたのは、自ら全国を回り、東海リーグ、九州リーグも視察した神川監督が「先入観は全然ない。地方の選手だからどうこうというのはないです。自分が見て目についた選手」という26名だ。関東や関西の知名度の高い選手だけに偏るのではなく、東海、北信越リーグからもメンバーに名を連ねるなど、いろいろな選手にチャンスがあることを印象づけた。合宿初日から期待に応えるようなプレーを見せた選手も。神川監督は前線で規格に収まらないような動きを見せるFW呉屋大翔(関西学院大2年)や正確なパス出しをするDF木本恭生(福岡大2年)、アグレッシブにゴールへ迫ったMF志知孝明(東海学園大2年)、ハイレベルで安定したプレーを見せるMF奥山政幸(早稲田大2年)らの名を挙げて讃えていた。

 負傷のU-20日本代表FW和泉竜司(明治大2年)を除く25選手がピッチに立った全日本大学選抜は1本目、右サイドに入った志知と左のMF水谷侑暉(愛知学院大2年)の両ワイドが積極的にドリブルで仕掛け、繰り返し攻撃参加していた右SB湯澤聖人(流通経済大2年)がクロスまで持ち込んでくる。そして呉屋が個人技でDFを外してシュートを打つなどリズムを掴むと8分、MF中原優生(鹿屋体育大2年)の左CKを中央の呉屋が押し込んで先制した。だが11分、流経大はMF中山雄登(4年)の右FKが全日本大学選抜のオウンゴールを誘い、同点に追いつく。全日本大学選抜はその後、CB山越康平(明治大2年)中心に守備面は安定。ただ、MF端山豪(慶應義塾大2年)のミドルシュートやFW澤上竜二(大阪体育大2年)がターンから放った右足シュートなどで攻めたものの、半ば以降は決定的なシーンをつくれないまま1本目を終えた。

 2本目立ち上がりは左サイドのMF小林成豪(関西学院大2年)が個人技で違いをつくり、19分にはMF布施周士(関西大1年)のスルーパスからPAへ飛び込んだ右SB室屋成(明治大1年)が決定的な右足シュート。こぼれ球をMF古橋匡梧(中央大1年)が狙ったが、惜しくも決め切ることができなかった。その後ややオープンな展開となる中で前線までボールを運んでいたが、決定的な崩しをすることはできず。逆に流経大のMF森保圭悟(2年)やFW富樫大介(2年)にスペースを突かれてピンチを招くと、アディショナルタイム、富樫のラストパスからFW川崎雄太(1年)に左足で決勝点を決められ、新生・全日本大学選抜の船出は黒星発進となった。

 今回の合宿では4日間で3試合の練習試合を行う予定。神川監督はユニバーシアードで2大会ぶりの金メダル獲得を目標に掲げ、「(結果だけでなく)全てにおいてトップであること。長友や高橋のように彼らの先輩は日本代表でやっている。見習ってもらいたい」。世界一を目指す全日本大学選抜での活動をステップに成長して、より上のステージで羽ばたいてくれることを期待していた。

[写真]全日本大学選抜唯一のゴールを決めた呉屋

(取材・文 吉田太郎)

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