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[ケイスポ]互角の展開も、一発のセットプレーに泣く 順大戦

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[慶應スポーツ ゲキサカ版]
[9.13 関東1部・リーグ第13節 慶應義塾大0-1順天堂大 千葉県総合スポーツセンター東総運動場]

 前節の時点で3位につけていた慶大は、2位・順大との上位対決に臨んだ。序盤こそ幾度もチャンスを作るが、得点に結びつけられずにいると、徐々に自陣での戦いを強いられてしまう。リーグ戦で最少失点を誇るディフェンス陣の粘り強い対応でしのいでいたが、後半40分にセットプレーから先制点を献上。その後の決死の反撃も実らず、後期リーグ戦の初黒星を喫してしまった。

 慶大は、立ち上がりに積極的な入りを見せたことで主導権を握る。オフェンス陣が立て続けに良い形を作り、またそれに応えるように、ディフェンス陣も奮闘。特に久保が相手のFWに攻撃の起点を作らせず、周りの選手もカバーリングを徹底する。「堅守速攻」というプラン通りの展開に持ち込んだかと思われたが、次第に慶大がチャンスを演出できなくなり、拮抗したゲームに。そして、順大のキーマンである長谷川竜也(3年=静岡学園高)に翻弄され始めてしまう。それでも、体を張った守備で得点を許さず、両チームとも無得点のまま前半を折り返す。

 迎えた後半は、セカンドボールを拾えない場面が目立ち、劣勢に立たされてしまう。流れを変えたい慶大は、交代枠を使って巻き返しを試みるが、なかなか攻撃の糸口をつかめず。それでも、65分に久々のチャンスを迎える。相手GKの蹴ったボールをカットした加瀬澤力(2年=清水東高)がロングシュート。得点に至らなかったが、これで慶大は息を吹き返し、攻勢を強めに行く。だが、その思いとは裏腹に、以後は再び攻め込まれてしまう。そして、85分には絶体絶命のピンチ。ロングスローからの流れで立て続けにシュートを打たれるも、峯達也(4年=桐光学園高)のファインセーブなどで間一髪しのぐ。しかし、試合が動かされたのは直後のCKだった。長谷川涼太(4年=八千代高)に頭で合わせられ、痛恨の失点を喫してしまう。慶大は猛攻を仕掛けるが、得点が入らないまま時間だけが経過。アディショナルタイムのセットプレーも生かせず、無常にも試合終了のホイッスルを迎えてしまった。

 わずかな隙を突かれて敗れたものの、「守備に関しては合格点」(須田芳正監督)。今節の失点はリーグ戦で6試合ぶりであり、持ち前の堅守に陰りはない。攻守ともに細かい修正点にも目を向ける必要はあるが、リーグ戦において最も重要なのは「連敗をしないこと」(須田監督、保田主将)だ。その意味で次節の筑波大戦は、今後のチームの流れを左右するといっても過言ではないだろう。上位に踏みとどまるため、そしてインカレに進出するために、慶大の真価が問われる。

試合後の監督・選手のコメント

●須田芳正監督
―今日の試合を振り返って
「良いゲームだったよね。お互いに本当に守備陣が集中して、なかなかチャンスも作り出せなくて。負けたんだけれども、今日みたいな内容のゲームを続けることが大切だと思う。もちろんあと一、二本パスをつなげればチャンスになったんだけど、今年は今日みたいなサッカーを続けようとしているのでよく戦ったと思うし、負けたのも力負けなので、次に切り替えられたらと思います。連敗しないことが大事なので」

―具体的に守備面を振り返って
「セカンドボールはポイントにしていたんだよね。特に自陣で拾ったり、あるいは相手陣内にクリアすること。相手のストロングポイントは10番を中心とした前線のパスワークなので、彼に前を向かせると怖かったので、そこでセカンドボールを拾おうと話していたんだけれども、おそらく相手の方が拾っていたかな。前半は相手の方が多かったんだよね。後半も向こうに拾われて、徐々に押されて、なんとかしのいでいたんだけれども、結局最後にやられた。まさに向こうの方が、力があったんだと思います」

―攻撃に関して
「今はもちろん、つなぎながら一本縦パスを狙ったり裏を狙ったり、狙いとしてはあるんだけれども、急にそんなに良くならないよね。だから、今年は基本的にこういうサッカーでいくしかない。まず相手の裏を狙って、そのこぼれ球を拾って攻める、あるいはセットプレーで点を取って、1-0のまま守り切るサッカー。それを続けていきたいと思います。今日はサイドの川田と加瀬澤の(裏を狙う)動きが少なかったかなと。もちろん守備の所は頑張ってくれたのでそこから出るのは大変なんだけど、ちょっと運動量自体が少なかったかな。そういったところで途中から黄を入れたんだけど、彼もなかなか(裏に)入っていけなかった」

保田隆介(4年=横浜F・マリノスユース)主将
―今日の試合を振り返って
「お互いに拮抗して良い試合だったと思うんですけど、そういう試合の時に勝敗を分けるのはセットプレーであることが多くて、前半はうちにも何本も(セットプレーが)あった中で、チャンスを作れずに後半は逆にセットプレーから入れられるという形だったので、些細なところですけど、そういったところで試合が決まったと思います」

―相手の9番、10番の対応はどうだったか
「チームとしては、9番はセンターバックのどちらかが見る、どちらかというと久保の方が見るということで、10番に関しては最初は左サイドに来ると思ったんですけど、ボランチあたりにいることが多かったので、誰かが必ず見るという感じではなくて、全員が10番を意識する形で見ていたんですけど、多少自由に動かれて、サイドに流れてきたときにちょっと(マークが)浮いてしまったかなというところはあったので、そこはもっと全員が気にしていかないといけないかなと思いました。他の選手のカバーリングの意識が少なかったのかなと思います」

―次節に向けて
「上位に食らいついていくには連敗をしてはいけないし、順大に負けて差がついてしまったので、次の試合はなんとしても勝たないといけない。内容は悪くないので、下を向かずに前向きにやっていければいいと思います」

(取材・文 慶應スポーツ 木下彰)


[次節試合予定]

第14節 9月20日 筑波大戦 (11:30@味の素スタジアム西競技場)

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