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[関東2部]拓大FW長尾がハットも…AT弾などFW岡田2発で早稲田大が執念ドロー

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早稲田大がFW岡田優希(3年=川崎F U-18)の後半アディショナルタイム3分のゴールでドローに持ち込んだ

[10.14 関東大学2部L第17節 早稲田大3-3拓殖大 古河サッカー場]

 関東大学サッカーリーグ2部の第17節が14日に行われ、古河市立古河サッカー場の第1試合では早稲田大拓殖大が3-3で引き分けた。勝ち点1を積み上げた早大だが、3位の中央大に勝ち点1差と詰め寄られた。また拓大は後期リーグ6戦勝ちなしとなった。

 チャンスを確実にものにして得点に繋げたのは拓殖大だった。しかし1年での1部復帰を目指す早稲田大の意地が、勝ち点1を手繰り寄せた。

 試合は開始1分にも満たない時間帯に拓殖大が動かした。MF西山大輝(2年=静岡学園高)から出た浮き球パスをFW長尾吉家(2年=静岡学園高)がダイレクトで流し込む。「チームで前から行こうと話していた」という狙い通りの奇襲攻撃で、先手を奪った。

 ただ早大は冷静だった。前半13分、左サイドからMF相馬勇紀(3年=三菱養和ユース)がクロスを上げると、FW石川大貴(4年=名古屋U18)が頭に当てて流し込み、試合を振り出しに戻す。早大はその後もチャンスを作り続け、逆転弾を目指した。

 しかし後期勝利なし、ここ3試合で1得点しか奪えていなかった拓殖大の攻撃陣が、この日は奮起。早大の攻撃をかわしながら反撃のチャンスを伺うと、迎えた前半35分、左サイドのMF冨田博斗(4年=山梨学院大高)から出たパスを中央で受けた長尾が倒れ込みながら右足で蹴り込み、再び勝ち越しに成功した。

 さらに1点リードで折り返した後半21分には、FW小島樹(3年=都立東久留米総合高)のシュートのこぼれ球を押し込んだ長尾がハットトリックを達成した。高校時代から昨年まで、ボランチやトップ下を主戦場としてきた長尾だが、今季よりFWに挑戦中。「今は極めたいなと思っている」というFWで結果を残し、勝ち点3をグッと引き寄せた。

 だが早大が粘りを見せたのはここからだった。まずは後半38分、MF秋山陽介(4年=流通経済大柏高)のスルーパスに反応したFW岡田優希(3年=川崎F U-18)が右足で冷静に流し込み、1点差に詰め寄る。そして後半アディショナルタイム3分、またも秋山のパスから岡田が今度は右サイドでボールを持つと、ニアサイドを抜いてゴールネットを揺らす。「クロスを狙ったんですけど、結果的にシュートになっちゃった」という途中出場FWのラッキー弾だったが、土壇場で早大がドローに持ち込んだ。

 両軍にとって勝ちたかった一戦。土壇場で追いつかれた拓殖大はもちろん、3位の中央大が勝利したことで、勝ち点差が1に詰まった早大の選手らも試合後の表情に笑顔はなかった。卒業後の名古屋グランパスへの入団が内定し、すでに特別指定選手としてリーグ戦9試合に出場した秋山は、残りのシーズンは早大の試合だけに集中する予定。「ここから一つも落とせない試合が続く。全部勝てるように、攻守両面で関わり続けていきたい」と気合を入れ直していた。

(取材・文 児玉幸洋)
●第91回関東大学1部L特集

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