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[MOM616]筑波大DF山原怜音(2年)_チャンスメイク能力は三笘以上

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今季初ゴールを突き刺したDF山原怜音

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.29 関東大学L1部第7節 筑波大1-0流通経済大 柏の葉]

 相手チームも脱帽のスーパーゴールが試合に決着をつけた。後半14分、ボールを持ったDF山原怜音(2年=JFAアカデミー)はMF高嶺朋樹(4年=札幌U-18)のパスを受けると、右サイドから中央にドリブルを開始。ゴールまで約35mはあったが、スペースがあると見るや、迷わず左足を振り抜いた。

「ボールが出たときに、真ん中にスペースがあった。DFラインが少し引いたように感じた。自分の前のスペースが空いて、ピッチもスリッピーだったので、打てば何か起こると思った。思い切って振って、結果ああいう形で入って良かったなと思います」

 ルーキーイヤーだった昨季は18試合に出場。左右両サイドをこなす起用さを武器に、1年生ながらレギュラーポジションを確保した。周囲の評価も高く、今春には全日本大学選抜にも招集。同学年からの選出は同僚の世代別代表でも活躍するDF角田涼太朗(2年=前橋育英高)の2人だけだった。

 そして選抜での経験が責任感を芽生えさせているという。昨季は「自分的には出ているだけという試合が多かった」。だが選抜で海外のレベルの高い選手と対戦することで、どんどん自信がついていった。それがチームを勝たせるという思い、積極的な攻撃参加に繋がっているという。

「筑波をひとつ出たところでやらせてもらうと、レベルも高いので刺激になることが多いです。大学選抜として、アメリカ遠征と韓国遠征に行かせてもらいましたけど刺激になることが多かった。チームに還元しようと思えているので、選抜活動はいい経験をさせてもらえているかなと思います」

 後輩たちが多く試合に出ていることも責任感を増す一因になっている。この日はMF三笘薫(4年=川崎F U-18)が代表活動で欠場したこともあり、前線にはFW森海渡(1年=柏U-18)、MF岩本翔(1年=G大阪ユース)、MF三浦雅人(1年=東京Vユース)の1年生トリオが並んでいた。昨年、自身が上級生に助けられたという思いを持つからこそ、今度は自分が後輩を支えなければいけないという気持ちが強まっている。

「去年は1年生で出たときは上級生に助けてもらった。だから1年生のミスは自分たちがカバーしないといけないと思っている。僕の経験を伝えることで1年生には自信をもってプレーしてほしい。ミスは自分たちがカバーしたい」

 今季の山原はセットプレーのキッカーも任されている。間違いなくチームの攻撃をけん引する選手だ。「三笘以上にチャンスを作り出す能力がある」と小井土正亮監督も絶大な信頼を寄せる。「自分の持ち味は左右両足の正確なキック。クロスやフィードで貢献したい」。163cmの小柄な選手だが、大学サッカー界屈指の存在へと成長を遂げている。

(取材・文 児玉幸洋)
●第93回関東大学L特集

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